不動産

「ボロ戸建て投資ド初心者日記」第4回:そして出会った、雨漏り物件。

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2025年4月17日

こんにちは、よだかです。

これまでの記事では、「物件を探していたけれど、なかなか買えなかった話」と「判断基準をどう作ったか」という過程を書いてきました。

今回は、ようやく「実際に買えた物件」についての話です。
購入価格は200万円。いわゆる“ボロ戸建て”です。

でも、この物件には最初から明確な懸念点がありました。

雨漏りします、と。

そのひと言に、一度は購入を諦めかけました。
でも、最終的には見に行くことを選びました。
そこから始まったのが、この家との縁です。

前回の話
「ボロ戸建て投資ド初心者日記」第3回:「失敗」と「根拠のない自信」のあいだで

2025年4月16日 こんにちは、よだかです。 前回までに、買えなかった3軒の話をしました。今回は、それらを経て私が作った「物件購入の判断基準」についてまとめます。 正直、当時の判断軸を振り返ると「ち ...

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条件が良すぎて、逆に怖かった

この物件を見つけた時、最初の印象は「安すぎる」でした。

  • 駅から徒歩圏内(やや遠いが、十分現実的な距離)
  • 周辺に住宅も多く、夜でもそれなりに明かりがある
  • 学校やスーパーも生活圏に収まっている
  • 庭付きの2階建て
  • 価格は200万円

パッと見た限り、条件はこれまでの物件よりも良い。
にもかかわらず、ネットにはしばらく掲載されたままでした。

「この値段で売れ残っているのは、何かある」
そう思い、問い合わせの前に物件の所在地や法規制を調べたところ、市街化調整区域に指定されていることが分かりました。

市街化調整区域の物件は、用途や建て替えに制限がかかる場合があり、貸し出し目的での活用が難しいケースもあります

その時点で、「これは自分で住む用に買うことになるかもしれない」と、ある程度の覚悟が必要な物件だと理解しました。


業者からの第一声:「雨漏りします」

物件を見つけて数日後、電話で不動産業者に連絡を入れました。
その時、最初に言われたのがこの一言でした。

「ああ、その物件ですね。実は、雨漏りがあって…」

即座に、購入候補から外しかけました。

というのも、雨漏りは素人が対処するには難易度が高すぎる修繕です。
原因の特定が難しいうえ、高所作業になる可能性もあり、落下リスクも含めて考えると、軽く手を出せるものではありません。

DIY前提で物件を探していた私にとって、「雨漏りします」は、ほぼレッドカードに近いワードでした。


「見るだけでもいいから、行ってみよう」

それでも、なぜかそのときは、すぐに電話を切らなかった。

「とりあえず、一度見てみてもいいですか?」

と、自分の口が勝手に動いていました。

理由ははっきりしていません。
ただ、ここまでの物件探しの過程で、**“見なければ分からないことが多すぎる”**という実感があったからだと思います。

雨漏りというリスクは重い。
でも、写真で見る限り、外観も悪くないし、立地も自分の条件にかなり合っている。

行ってみて、それで「やっぱり無理」と判断すればいい。
そう思って、内見の予約を入れました。


草ぼうぼうの庭と、開かない玄関

当日は夏の終わり、午前10時の約束。
不動産業者の担当者は、5分ほど遅れて到着しました。

挨拶もそこそこに、草が生い茂った庭を抜け、玄関へ向かいます。
しかし、ここで予想外の事態が発生。

鍵が回らない。

担当者が「おかしいな…」と何度も試みるものの、まったく開かない。
仕方がないので、その間に私は敷地を一人で見て回りました。

静かな住宅地。
線路も近いけれど、電車の音は全く聞こえない。
道幅はやや狭いものの、周辺には人の気配がある。
駅からの距離も、生活圏として考えれば十分に許容できる範囲。

「想像していたより、ずっと普通の場所だ」

そう感じたのを、はっきり覚えています。


室内の状態:悪くない、というより「思ったよりマシ」

ようやく鍵が開き、中へ。

  • カビの匂いはあったが、すぐに慣れる程度
  • 床は一部にたわみあり
  • 襖や障子は全滅
  • 壁には前の居住者が貼ったであろうキャラクターのシールが多数
  • ガス台はかなり汚れていたが、清掃と交換で対応できる範囲

どれも、**「直せば住める」**と判断できるレベルでした。
もちろん、DIYありきの話ですが、それは最初からの前提です。


そして、肝心の「雨漏り」は…

見上げると、確かに天井にはシミがありました。
でも、床には濡れた形跡はなく、カビ臭も天井周りには感じられません。

内見の前日は、台風が通過していました。

それにも関わらず、床は乾いていました。
もし漏れていたら、濡れた跡が残っているはずです。
それがなかったことは、購入を後押しする大きな要素になりました。

最悪、2階から漏れても1階に住めばいい。
そう考えると、リスクとして「許容できる範囲」に落とし込めた気がします。


「完璧な物件」を探すのを、やめた日

この物件が「完璧」だったわけではありません。
むしろ、リスクも制限も多くありました。

でも、今の自分にとって「買ってもいい」と思える最初の一軒だった。

これまでの失敗、現地での経験、判断の軸づくり。
それらすべてを経て、「それでも自分で責任を持てる」と思えた家。

完璧な物件を探すより、「不完全でも受け入れられる物件」を見つけることの方が大切なのかもしれない。

この時そう感じてから、不動産投資に対するスタンスが少し変わったように思います。


次回:「購入手続きと、その後の暮らし」について

次回は、この物件を実際に購入するまでの流れと、
今もこの家に住んでいる自分の生活の中で感じていることを、まとめていきます。

  • 購入にかかった具体的な費用
  • 修繕の初期計画
  • 実際に住んでみて分かったこと

「ボロ戸建て投資」とは何か。
それが、自分の中でどう位置づけられていったのか。
そのあたりを、少しずつ言葉にしてみたいと思います。

それではまた。
よだかでした。

「ボロ戸建て投資ド初心者日記」第5回:購入完了。そして、暮らしが始まった

2025年4月18日 こんにちは、よだかです。 前回の記事で紹介した“雨漏り懸念のある物件”ですが、あの家を私は実際に購入し、今もそこで暮らしています。 価格は200万円。市街化調整区域にあり、庭付き ...

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