2025年4月21日
こんにちは、よだかです。
このシリーズでは、会社員として働き始めた1年目のことを振り返りながら、「こんなこともあるよ」という気持ちでお話ししています。
これから社会に出る方や、今まさに1年目で悩んでいる方が、「自分だけじゃないかも」と思えるきっかけになったら嬉しいです。
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信頼関係ゼロのスタート
配属されたチームには、過去に複雑な事情を抱えているお客様が多くいらっしゃいました。
私はその中でも、特に対応が難しいとされる案件をいくつか担当することになっていました。
とはいえ、社会人になって間もない私には、そういう事情の重さも、相手がどれだけ傷ついてきたのかも、正直わかっていなかったんです。
「丁寧に接すれば大丈夫」
「ちゃんと話を聞いて、誠実に対応すれば、きっとわかってもらえる」
そんなふうに思っていました。
でも、現実は違いました。
最初の衝撃は、挨拶への返事だった
ある朝のことです。
その日も、担当しているお客様の元に行き、いつものように笑顔で挨拶しました。
「おはようございます」
……返ってきたのは、まさかの一言でした。
「無理」
それだけ。目を合わせることなく、ぽつりと、しかし明確に。
一瞬、何が起きたのか分かりませんでした。
耳を疑ったし、心がキュッと縮むような感覚を、今でもはっきり覚えています。
挨拶を返してもらえない、目をそらされる――そんなことは何度か経験していました。
でも、あの「無理」というたった2文字が、思っていた以上に深く刺さりました。
ああ、ここでは自分の“ふつうの誠意”が、通じないのかもしれない。
その現実を、はじめて思い知らされた瞬間でした。
正しさだけでは、伝わらない
当時の私は、「間違っていることはその場で伝えるべき」と思っていました。
優しさとか気遣いとかよりも、「ちゃんと伝える」ことが大事だと思っていたんです。
でも、信頼関係が築けていない状態で何かを伝えても、それはただの押しつけになってしまう。
今ならそれがわかりますが、当時は全然気づけていませんでした。
相手が何を不安に思っているのか、どんな心の背景があるのか――
そんなことを考えられる余裕もありませんでした。
信頼って、技術じゃなかった
信頼関係って、マニュアル通りに接すれば築けるものじゃないんですよね。
たくさんの言葉を交わすよりも、ちゃんとそこに“いること”。
言葉がなくても、「この人は逃げないな」と思ってもらえるかどうか。
当時の私は、相手の反応に一喜一憂して、自分のことでいっぱいいっぱいになっていました。
でも、少しずつ相手の目線に立てるようになってくると、たとえ冷たい態度でも、「それがその人なりの精一杯なんだ」と思えるようになりました。
今なら、あの日の「無理」という言葉も、
「信じていいのかわからない」「また傷つきたくない」という、相手なりのSOSだったのかな、と思えます。
次回予告:第3話「努力はしてた。でも、まったく伝わらなかった」
準備もしてたし、自作の資料も作っていた。
でも、空気はどんどん悪くなる。
うまくいかないのは自分のせいだと思っていた頃の話です。
それではまた。
よだかでした。