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【ネタバレあり】アーカイヴ【死者の記憶が創る世界】

どうも、よだかです。

死者の記憶が保存され、生前と同じようにやり取りができる技術が開発されたら、あなたは使いますか?

今回紹介する映画「アーカイヴ」は、それを実現してしまった未来の話。

SF色を強めに出しながらも、主人公の人間らしさを追いかけていく作品です。

しかも、ラストのどんでん返しも面白い!

早速内容を紹介していきましょう!

こんな人におすすめ

・どんでん返しのあるSF映画を観たい

・人間に近づいていくロボットに興味がある

・美しい自然の映像を楽しみたい

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あらすじ

山奥の研究施設でロボット開発を進めるジョージ。

企業との契約期間は3年間で、間も無くその期限が切れようとしていた。

仕事においてはイマイチ成果を上げられず、クビを言い渡されそうになっているもののそれほど気にしていない様子のジョージ。

実は、彼はその研究施設を使って、事故死した妻を現実世界に蘇らせようとしていたのだった。

ジョージが利用していたのは、”アーカイヴ”と呼ばれるシステム。

これは、死んだ人間の肉体を一定期間保存して、機械を通じてテレビ電話のように会話できるようにするというもの。

遺族が、突然の死を迎えた者と時間を使ってゆっくりとお別れをするために開発されたシステムだった。

ジョージは、妻の亡骸を収めたアーカイヴ装置から違法に情報を取り出してAIとして復活させて、ロボットの体に記憶情報を移植しようとしていたのだった。

既に、試作機は2体完成していて、いよいよ計画は最終段階。

果たしてジョージは妻を蘇らせることができるのか?

↓ここからネタバレあり!

 

 

 

 

 

 

見どころ

映画のラストで、実はジョージこそがアーカイヴの中にいたことが分かります。

ジョージにとって都合の良いストーリー展開が続くため、「はてな?」と思う場面が多々ありました。

接続の悪いアーカイヴ、正体不明の侵入者、切り裂かれたはずなのに無傷のシャッター、、、。

段々とヒントが大きくなっていく展開がとても巧みでした!

主人公が非道

ジョージの非道っぷりがとにかく酷い

一周回ってもはや清々しいレベル。

失った妻を蘇らせるために作った試作AIのベースは妻の記憶。

だから、試作機たちは皆同様に妻の生写しのはず。

試作段階のAIが未発達で一定年齢以上の発達が見込めないとはいえ、試作機の1号と2号は幼かった頃の妻なのです。

ところが、ジョージはそれが全く理解できていないのか、彼女(?)たちに対する思いやりを感じません。

完成度の高い3号機が、ジョージに愛情を示したときですらも、それを振り払い部屋から追い出してしまいます。

結局ジョージが追いかけていたのは、記憶の中にある妻ただ一人。

完全に拗らせたおっさんのジョージの振る舞いは、もはや愛ではなく自己の過去への執着に見えてきてしまいます。

ジョージがこれほどまでに執着しているのは、妻をなくす直前に、言い争いをしていたから。

その後悔も相まって、彼をAI開発に走らせているのです。

試作機に対する愛情は、確かに薄かったのかもしれませんが、究極の目的が見えていたからこそ、ブレなかったとも言えます。

それがまた実に人間らしくて良いのです。

イライラさせられるからこそ、映画の見どころとなっています。

自然が美しい

物語の舞台は、冬の山梨県。

監督は日本が好きなのかな?

山奥に建設された施設を囲む冬の大自然が美しい!

餅や湖や滝が映るシーンが何度も出てきます。

テクノロジーの最先端を行くテーマとちょうど対極になっている自然。

テクノロジーと自然。

対極にあるようで、どこか緩やかにつながっている。

そもそも、私たちがそれらを区別しているのはなぜなのか?

別々のものであるという思い込みではないのか?

どちらの良さも感じられる構成が、そういった問いをもたらしてくれるのです。

ロボットの健気さ

創造主には自己愛がある。

そして、そこから脱し難い構造になっている。

本作品最大の見どころですね。

ジョージの意識の中での出来事とはいえ、試作機の1号と2号はジョージに深い愛情を示します。

この様子が非常に健気。

物語の大部分がジョージの妄想であるとかはどうでも良いのです。

亡き妻の意識をデータとして移植したら、そのAIがどのようにふるまうのかということをきちんと描いている点にこの映画の価値はあります。

特に試作機2号が、入水してしまうシーンは本当に胸が苦しくなります。

愛情を注げないのなら、クリエイターは創造してはいけない。

愛王を注げなくなった創造物の命は終わらせてあげるのが”愛”。

中途半端な興味関心を持つことが、相手を絶望させることもあるということを感じさせられました。

創造物には、しっかりと愛情を注ぐべきですね。

自分の創ったものには、最後まで責任を持つことを忘れずにいたいものです。

まとめ

最後まで読んでくださってありがとうございます。

AIを開発・改良することの身勝手さを通して、創造主の自己愛を考えさせてくれるとても素晴らしい映画でした。

正直私でも、同じことができたらやるでしょうね。

それくらい大切な人との思い出や記憶は大切なもの。

だからこそ、いつ別れを告げることができても良いように、日頃から感謝や思いやりを示す行動を続けていきたい。

それは、リアル世界でもウェブ上でも同じこと。

「アーカイヴ」は、SF作品の皮を被った、非常に精巧なテーマを内包する作品でした。

おすすめの映画ですので、是非一度ご覧になってみてくださいね!

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