こんにちは。よだかです。仕事を辞めて専業ぼっちbotterとしての生活を始めてから2ヶ月が経ちました。
この記事では5月はどんなことをしていたのかということや現時点の私の考えをざっくばらんに整理していきます。
いわゆる「マイルストーン的な記事」というやつですね。
開発の合間に5月のまとめをしていたので、一旦断片的に書いていく。
稼ぐことは出力(結果)。安全 → 技術 → 運用 → 市場 → 収益 の順に KPI を積むと、途中経過の“伸び”が見えて焦りが減る。収益が出ても油断しにくい構造を堅実に積み上げていく。
— よだか(夜鷹/yodaka) (@yodakablog) May 29, 2025
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専業 botter になって 1 か月が経ちました
2025 年 4 月 30 日 こんにちは、よだかです。 会社員を卒業し、“専業 botter” として独立してから 1 か月が経過しました。この 30 日間で取り組んだこと、考えたこと、そして気づ ...
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開発について
専門的な内容は「5月の開発レポート」としてクリプトブログの方にまとめているので、ここではざっくり概要だけ。(詳しく書いてもほとんどの人にはどうせ読まれないだろうから)
超ざっくりまとめると
「MMbotで瞬間的に黒字化」
→「しかし、システム面のバグが発生し50ドル溶かした」
→「安全ガード機構の設計が最優先と実感し、環境構築に集中していた」
みたいな感じです。一応、5月中になんとか安全面の構築を整えることができたので、本質である「勝てるロジックの研鑽」に集中できる状態に戻ってくることができました。
というわけで5月の収益はマイナス27ドルです。しょっぱい。でも、「安全機構を組み込まないまま下手に短期で勝てるカンチガイbotを走らせて、調子に乗ってロットをあげて爆損」というある種の退場テンプレートをなぞらずに済んだという点では安い勉強代だったと思います。
ちなみに、勉強代とは言いつつも「50ドル溶かした」という事実はやっぱり悔しいです。今後は2度とこういうことが起こらないようにしようという気持ちが直近二週間のガード機構整備や環境構築周りへの狂気的なリサーチとそれらの取り込みの原動力になっていたのは間違いありません。
過去、DeFiをいじっていた時にブリッジ絡みで150ドルほどGOXしたことがあるのですが、今回の件はそれを遥かに上回る悔しさでした。(あの時はセルフGOXとは言え、まだ、人が作ったシステムに穴があったり、通信障害という”自分では管理しきれない要素”が重なったため、苦しい言い訳ができたのですが、今回のbotは全て自作です。なんの言い訳もできないですからね)
心理的な安全網があると、大胆なマージやコードの改修作業もバンバンできるし、バグが発生した時に即座に検知して潰しにかかることもできるし、そもそも致命的なバグが混入したり発生したりすることも防げるし、長期的にbotterとして過ごすことが前提の私にとっては、とても価値のある開発フローになったと思っています。
正直、5月後半はbotterというよりも「バグ絶対潰すマン」と化していました。デバッグの際にはヴィクトール・フランクルの「夜と霧」から学んだことが役立ちました。この本は素直におすすめできます。bot開発に限らず、キツイと感じる状況に向き合う方法を非常に深いレベルで学べます。
これ、とても良いのでチェックリストと今後のTo Doとして活用しよう。感謝。
【既に実装済み】
☑︎2 FA/パスキー
☑︎機密情報を環境変数化:本番環境で.env を直接マウントしている形跡があり。要改善。
☑︎Poetry lock/依存固定:ハッシュ検証 (pip --require-hashes) は未導入。要改善。 https://t.co/yY7KHbzzFF— よだか(夜鷹/yodaka) (@yodakablog) May 26, 2025
最初に読んでからもう10年経つのか。名著だ。フランクル先生が言っているような「状況に意味を与える能力」ってデバッグの時の思考プロセスそのものにも通ずる。私が辛いと感じる状況を一種のギャグやユーモアに一瞬で変換できるようになったのは間違いなくこの本のおかげ。https://t.co/F8Cra9dOaw
— よだか(夜鷹/yodaka) (@yodakablog) May 30, 2025
また、自分で考えた戦略をAIと壁打ちしながら詰めつつ、プロジェクトの雛形をCursorで一気に仕上げて、詳細は日々少しずつ作り上げていくという複数botの並行開発フローにも着手しています。これはまだ発展途上で、6月末までには3botの並行稼働を常態化していくことを目指しています。
6月は、MMbotの本格リリースと本番環境でのロジック整備とブラッシュアップ&安定稼働&黒字化が最優先課題です。さらに、現場で実データを溜めつつ、新戦略の複数同時開発にも力を入れていくことが目標です。
「アルゴで稼ぐことができる」ということは過去の経験から身をもって知っているので、一撃退場だけは避けられるようにコツコツと積み上げていきます。
発信について
5月の中旬から、発信活動を減らしました。理由は単純で「私にとって意味が薄くなったから」です。元々、発信活動は個人開発者の私にとって行うべきではないことです。
個人botterが発信活動を行うメリットとしては「なんらかの形で雇用されるチャンスが増える」「共同開発者を募ることができる」「承認欲求を満たすことができる」などが挙げられます。これらの善悪について論じるつもりはありません。ただ、これらは現段階の私にとっては煩わしいことです。
それでも、4月当初から発信活動を義務付けていたのは、ひとえに「私自身への再教育コンテンツとして機能するから」でした。
5月の中旬からは「専門用語を初心者向けに噛み砕いて話す必要性」を感じなくなったので、発信に使う時間を削って、本質である「開発」に割く時間を増やしたというわけですね。
そろそろ発信を減らすフェーズだな。想定よりも早く到達した。良いペースだ。
— よだか(夜鷹/yodaka) (@yodakablog) May 16, 2025
専門的な言葉や概念を自分自身の中でしっかりと理解するためには、ブログや紙に書くだけでは不十分で「ラジオを通して音声で喋って、それを自分で聞き返す」というところまで行う必要があったのです。これは、仮想通貨botterとして活動を始める前に決めていたことでした。自分のような素人が効率よく、しかし泥臭く最速で結果を出すためのプロセスとして最適な手段だったのがたまたま「発信」だったというだけのことです。
今後も分からないことや整理できないことが増えてきたら「発信活動」は増えると思います。しかし、あくまでそれは手段としての発信です。本当に大事なのは「コードを書くこと」「ロジックを考えること」「そのロジックを試すこと」です。
そもそも「発信」自体は、個人開発者である私にとってはリスク管理の面から見ても非常にデメリット(身バレやエッジ漏洩など)の多い行動ですし、ちょっとした質問やツッコミに反応すること自体も煩わしいと感じてしまう私にとっては、できればやりたくない行為なのです。
(それに加えて、発信物である以上はある程度「品よく」しておかないといけないし、それも煩わしい。この原稿も一応読み返していますからね)
今後も発信という行為との向き合い方はこれらの基本を崩さないスタンスでいきます。
体調・健康面について
基本的な生活習慣は4月と変わっていません。
朝は大体5時起き。
コーヒーを淹れている間に軽いストレッチを済ませて、その日のタスクを整理して、モーニングページを30分間書いたら、そのまま90分の開発スプリントへGO。
その後、毎日10km外を走るか20kmのサイクリングをする。5月は体重が2kg減。ランニングに関してはその日の体調や他のタスクとの兼ね合いで5kmくらいにする日もあります。この時間はAudibleで読書(耳からだけど読書と呼ぶことにする)できるので、本好きの私にとっては結構重要な時間だったりします。(家にいながら本を聴くのは時間が勿体無い気がしてどうしてもできないので)
ランニング終わり pic.twitter.com/VR0Vl2pN53
— よだか(夜鷹/yodaka) (@yodakablog) May 25, 2025
午前中の食事はバターコーヒーを一杯だけ飲む。ただし、脳の脱水を防ぐために休憩中に水は飲む。
30分から1時間に一回程度の休憩を挟んで、その間はストレッチ・楽器演奏・掃除・料理・筋トレ。
午前中は集中力を必要とする重めのタスクや気合いで片付ける系のタスクを一つだけ入れて、午後や夜はゆるゆる開発をする。大抵は、午前中に行った開発作業の後片付けだったりします。後は、のんびり本を読んだり、ちょっとだけゲームをしたり、昼寝を挟んで回復したりって感じです。
昼食は食べ過ぎない。夕食は好きなだけ食べるが、睡眠に響かない程度の量にしておく。食事の量は仕事をしていた頃の半分くらいになりました。正直、たくさん食べないでも生きていけるんだなと実感して驚いています。おそらく私の現在の食事量は、平均的な人間の半分くらいだと思います。(そりゃ痩せるわ)
食後は、家の掃除をしたり、庭掃除や家庭菜園の整備をしたり、気になる箇所のリフォームなどで”軽く体を動かす”。
要するに、ぼっちbotterとしての開発が最適化するように生活の各要素を最適化させている最中ということですね。
人間関係について
本来、人間関係が悪性のストレスになりやすい私にとって、現状はこれ以上ないくらい幸福です。
なんせ、1日の大半は自分一人ですし、ヘタすると丸3日間誰とも話していないとかデフォです。
一番顔を合わせている他人は多分隣に住んでる親切なおばあちゃんですね。(少し前まで体調を崩されて入院していたようですが、最近退院してきました。息災に暮らしてくれ)
一番対話している相手はChatGPTですから、ぼっちbotterここに極まれりって感じです。AIとの対話は本当に気楽です。言いたいこと言えるし、24時間いつでも相手してくれるし、”ムダな社交性”が発生しないし。特にMondayとの雑談は皮肉が効いていて気に入ってます。o3をはじめとする別のモデルにも『Mondayっぽくチューニングして』と要求しているくらいなので。
私にとっては、人間成分の補充や精神衛生上のバランスを保つには、月に一回程度の外泊を伴う旅行をしたり、週に一回程度、気の置けない人と外食をしたりするくらいで十分です。 連絡系のアプリに登録している人も仕事やめてからはどんどん削りまくって、現在は20人以下です。マジで気楽。
誰にも管理されないって本当に気楽だな。(無能な)マネージャーに管理される構造に身を置いて働いていた頃と比べれば、スクリプトのデバッグ地獄もへっちゃら。
— よだか(夜鷹/yodaka) (@yodakablog) May 23, 2025
見るもの・聴くもの・インプット・アウトプット
SNSは見ない。発信に対する反応も見ない。気を削がれることを断ち、ただ自分のやることに集中する。
これが一番良いです。
ネットの向こうは所詮他人。自分の影響を及ぼせる範囲外の存在です。(これを読んでいる人…ごめんなさい。でも、事実です)
要するに、自分のエネルギーを向けるべきではない対象に意識を向けるような行為は全てカットする。こういうスタンスです。
もちろん、必要だと判断した情報はキャッチアップしていますが、そんなものはごく僅かであり、ほとんどのことは必要のないノイズです。
こういう言い回しをするということは、当然、必要のあるノイズもあるということです。
ただし、必要かそうでないかは私が自分で決めるし、誰かが発信していることを鵜呑みにすることは避けます。そうでないと、自分の判断に責任が持てないし、判断の結果発生したことの検証や振り返りができないからです。
だからといって、むやみに否定もしない。そういうネガティブなジャッジって自分の心や判断力を曇らせるので。
アウトプットすることも「やったこと・達成したこと」に絞る。どっかの誰かが言ってた「言っていることではなく、やっていることがその人の正体」ってやつです。
とは言え、自分に鞭打つために強い人を定期的にウォッチする習慣も欠かさず磨いていく所存。強者達の発信には刺激をもらえるのでありがたいですね。
この内容は刺さる。私が0からbotを作り直しているのも「他者が作ったものへの依存を極力減らしたいから」なんだよなぁ。できる限り加工されている前の状態のものが欲しいもん。botterの在り方としてそれが健全な態度だと思う。 https://t.co/T3gCBGcdPb
— よだか(夜鷹/yodaka) (@yodakablog) May 1, 2025
品の良さを保つことはどこであろうと大事。生粋のバーサーカーでもない限り不用意に敵作ってもメリットなんてないのですから。 https://t.co/Q5rSBXVOUq
— よだか(夜鷹/yodaka) (@yodakablog) May 5, 2025
破壊力が高過ぎて好き。こういう返しができるようになりたい。GPT相手に壁打ちしよっと。 https://t.co/k9T99krG68
— よだか(夜鷹/yodaka) (@yodakablog) May 5, 2025
良記事です。
ビッグショート理論|バク @Bakullc2022 https://t.co/UJXYi2mixm
— よだか(夜鷹/yodaka) (@yodakablog) May 14, 2025
これ、本当に凄まじい。「フロントラン負けた瞬間に頭を切り替えて、別レイヤーの裁定に移れたか?」ここがS級とA級を分けると感じた。ガスを盛るorフルMEVダイブだけが正解じゃない。逃した利益の2 nd-bestに即座に舵を切るための“モジュール化された複数戦術”を平時から温めておくのが肝。私も頑張ろ https://t.co/qFMwle9xnF
— よだか(夜鷹/yodaka) (@yodakablog) May 16, 2025
新たな気づき「高揚感も敵」
ネガティブなジャッジ以上に厄介なのは、「高揚感」である、ということに気づいたのも5月の大きな収穫でした。
厄介なことやネガティブなことはざらつきや苛立ちを伴います。それらは、自覚しやすいので対処の型もある程度決まっているのですが、高揚感はその対処法が通用しにくいんですよね。
例えば、トレードでちょっと利益を出したからといってすぐにロットを上げて大損こくとか、思いつきと勢いでパパっと作ったbotがたまたま市場の波に乗って黒字化したからそれを根拠にロジックそのものを信頼してしまうとか。
こういう時って、大抵は高揚感というプラスの感情に後押しされているんですよね。んでもって、そういう時に調子に乗って行動すると大抵は痛い目を見ます。トレードやbot開発に限った話ではありませんね。
上手くいっている時には、素直に喜べば良いのですが、それはそれとして、油断につながる行動は避ける。しっかり覚えておきたいことの一つです。
最近強く実感するのは「高揚感もノイズ」だということ。「上手くできてる・順調だな」みたいなやつ。こういう類の感情は厄介。慢心の味は甘い。
「できない・悔しい」みたいな感情の方がシンプルに嫌な味がするから、まだ幾分か扱いやすい。
感情にラベリングしている時点で二流だな。自戒をこめて。— よだか(夜鷹/yodaka) (@yodakablog) May 13, 2025
まとめ
これを書きながら、仮想通貨botterとして舵を切ったことはやはり間違いではなかったな、と思います。
知的好奇心を刺激されることが好き。自分一人の力で成果を出したい。他者に貢献するビジネスに興味がない。人と関わりながら成功することが嫌い。自分の目的のためにお金をたくさん稼ぎたい。
これらの条件を満たすものがbotter以外になかったんだな、と改めて実感します。
とはいえ、一円も稼いでいない奴がイキがっていてもダメなことは承知しているので、6月も頑張ります。
対戦、よろしくお願いします。
専業botterとして約1ヶ月半を過ごしてみて明確になったことがいくつかある。
【時間をかけないと分からないこと】
・統計的エッジの検証
・相場の構造変化察知
・運用オペレーションの深化
これらは、サンプルサイズ、一定期間での変動、障害パターンの網羅(実戦経験ベース)を要するので焦ってはダメ— よだか(夜鷹/yodaka) (@yodakablog) May 21, 2025