「知っているのにできない」「分かっていても行動に移すことが難しい」
成長意欲の高い人なら、誰しもそんな悩みを持ったことだあるだろう。
私自身、学習加速・習慣改善・健全な心のあり方など、脳科学の分野に学びを求めてきた。
その一つの到達点が、本記事で紹介するNLPだ。
誰でも今日から簡単に実践できて、効果も高い。
ぜひ、本記事を読んで理解と実践のきっかけにして欲しい。
この記事を読むと分かること
- NLPとは何なのか?
- 脳のプログラムを書き換える方法
NLPとは?
NLP(Nuero-Linguistic-Programing)とは「神経言語プログラミング」の略語である。
人間の中には特定の入力に対して正確に起動するプログラムがある。
脳の取扱説明書とされるNLPを理解することで、成功者の持っている行動パターンを自分自身にインストールする手助けとなる。
各分野では傑出した人物の存在が挙げられるが、彼らのパターンを解析する研究は大変多い。
そして、それらの行動パターンからそのモデルとなった人物の使い方を研究したものがNLPだ。
NLPの仕組みを理解することで「知っている状態」から「知って行動できる状態」に移行することができるようになる。
例えば、親が時間に厳しい人で、遅刻するたびに叱られていたのなら時間厳守と言う価値観ができあがる。
小さい頃に犬に噛まれる体験をした人はプログラムができ、犬を見かけるたびに震えや汗・動悸などが起こるようになる。
人間はプログラムのないまっさらな状態で生まれてくる。
体験と言葉によって、後天的に様々なプログラムを身に付けていくことになるのだ。
そして、これらのプログラムの質が人々の幸せの質を決めるのだ。
プログラムの特徴
これらのプログラムを作っているのは、潜在意識(無意識)である。
無意識の働きによって、好む・好まざるに関わらず様々なプログラムが作られてしまう。
では、無意識は何のためにプログラムを作るのか。
それは安全・安心を確保するためだ。
生物の生存本能が、1日でもその体を長く生きながらえさせるために安全な環境を求め、危険な環境を避けるためのプログラムを作るのだ。
プログラムは快の感覚と痛みの感覚に分けて作られる。
人の場合は、物理的なものよりも精神的な快感や痛みによってできるプログラムの方が圧倒的に多い。実行するのは無意識だが、物事を決めるのは意識の働きによるところがある。
無意識は、意識の2万倍もの力があるとされており、無意識にあるプログラムに逆らった行動していると、それを長期的に実行し続ける事は難しい。
つまり、痛みのプログラムを理解して、そこに働きかけていくことが自己への手助けとなる。
プログラムは思い込みだ。
プログラムには、部分を全体につなげる「一般化」と言う性質がある。
例えば、犬恐怖症の人は、自分を噛んだ特定の犬だけを怖がるのではなく、あらゆる種類に対して恐怖を持っている。
つまり、プログラムは柔軟性に乏しく、X=Yといった杓子定規な反応を作り出してしまっているのだ。これを逆に捉えれば、人のストレスの大半は適切な方法で扱う工夫ができるということになる。
これらのプログラムは強烈な体験(インパクト)とその繰り返しによってできる。
この点を理解すると、自分自身でプログラムを書き換えていくことが可能になる。
NLPは知得レベルを体得レベルと橋渡しする実践方法だ。
多くの人が成功する方法は知っているが、それを実践できないでいる。
知っているが体が覚えている状態にはなっていないからだ。
NLPを学ぶと、プログラムを書き換えることも新たに作ることもできるようになる。
学んだことを確実に実践できる状態にする。
不幸を作り出すプログラムを解放し、幸せになるプログラムをインストールする。
その手助けとなるのがNLPだ。
プログラムの特徴まとめ
- 快・痛みの原則に従ってできる
- 部分を全体に結びつけることによってできる(一般化)
- インパクトの繰り返しによってできる
世界を作り出す私たちの反応
反応は出来事ではなくプログラムによって起こる。
世の中にはたくさんの価値観(価値基準)がある。
その価値観に応じてわれわれは様々な物事の尺度を判断する。
我々の中にあるこの価値観というプログラムがそれに応じて反応を作るのだ。
外部の出来事が特定の反応作り出すわけではない。
出来事と価値観は別物だ。
本来、その出来事自体には良い・悪いということはない。
その価値は無色透明なのだ。
私たちは過去の経験や体験から、プログラムを作ってしまい、無意識的にそれらの価値観を持っているというだけなのだ。
ではその外部からの刺激に対する反応はどこから生まれるのか。
それは身体感覚だ。
体で感じる感覚と言い換えても良い。
私たちは感覚を頭ではなく、体で味わっている。
幸せすらも、体で味わっているのだ。
幸せという感覚も、出来事そのものが作り出すのではない。
そこにかぶせたイメージ(フィルター)によって作り出されているのだ。
脳は現実とイメージの区別ができないので、体験にかぶせたイメージによって世界を現実だと認識している。
幸せな人生を突き詰めて考えると、幸せな時間を過ごしている時間が長い人生であることが分かる。
つまり、幸せとは体で感じる感覚のことなので、幸せになるためには豊かさを感じている時間を増やすことやストレスを感じている時間を減らすことが大切になる。
豊かな人生を送るためには身体感覚をコントロールする方法を学ぶことが非常に大切だ。
つまり変化の本質とは身体感覚が変わることだ。
身体感覚を変える「リフレーム」
この項では、身体感覚の変化を起こすにはどうしたら良いのかをまとめていく。
身体感覚的反応は刺激の内容が変われば変わる。
ここで言う刺激の内容とは現実に起こったありのままの出来事+それにかぶせたイメージだ。
我々にできるのは出来事を変化させることではなく、それにかぶせているイメージ(解釈や評価・判断)を変えることだ。
イメージが変化すると物事の価値を決定している身体的な感覚が変わる。
変化を作り出すには、印象か意味のどちらかを変えれば良い。
価値観などは特定の意味を作り出し、良い悪いを感じさせている。
そばにいて居心地の良い人、あるいは悪い人を比較してみてほしい。
無意識が安全安心を確保するために、我々の身体感覚にそれぞれ異なった反応を呼び起こしていることがわかるだろう。(体がリラックスしたり、緊張したりする)
我々の身体感覚が、印象によって呼び起こされているということがわかる一例だ。
物事の枠組み(フレーム)を変えるためにはリフレームを行うと良い。
無色透明の出来事にかぶせるイメージ(フレーム)を変えていくのだ。
出来事に対する解釈を書き換えると言い換えても良い。
仕事でミスをしてしまったときに、失敗した自分はだめな人間だと思うのか。
それとも、次の仕事への学び成長のチャンスだと思うのか。
その後に引き起こされる身体的な反応は異なったものになる。
前者は落ち込んでやる気をしなうが、後者は元気になって意欲が湧く。
どんな出来事でも解釈次第で感じ方(身体的反応)を変えることが可能なのである。
ここまでは、多くの人が「そんなことは分かっている」と言いたくなる内容だろう。
興味深いのはここからだ。
非常に辛い場面・局面でもリフレームする方法がある。
アソシエイトとディソシエイト
リフレームが上手な人は、リフレームする前に無意識にリフレームしやすい状態になっている。
それをNLPではディソシエイト(分離体験)と呼ぶ。
これはアソシエイト(実体験)と対になる考え方だ。
アソシエイト | 実体験 | 状況の中にどっぷりと浸かっている状態 |
ディソシエイト | 分離体験 | 状況の外に出て客観的に観察してる状態 |
リフレームできない場合は、かなり強いアソシエイト状態になっている場合が多い。
非常に辛い局面では強いアソシエイト状態になりがちだ。
自分を見失って感情的になっているのだ。
例えば、ネガティブな状態にどっぷりつかってしまっていて、極めて視野がせまくなっている状態がわかりやすい。
感情に振り回されているので、自己コントロールする余裕がないのだ。
また、状況にどっぷり浸かっていると、視野がせまくなり、肯定的な意見も見つけにくくなる。
非常に辛い局面に強くアソシエイトしてしまっている場合は、いきなりリフレームすることを諦めよう。
まずはその状態からディソシエイトすることに専念するのだ。
理想の状態は、状況の外に出てから客観的に観察している状態だ。
感情に振り回されず、自己コントロールする余裕がある。
また、状況から離れているので状況の全貌も見える。
結果として、その状況の肯定的な視点を見つけやすくなる。
アソシエイト・ディソシエイトにもメリット・デメリットがある。
アソシエイトのメリットは、ちょっとしたことにも喜びを感じたり、良い体験を思い出すことでモチベーション維持することができることだ。
デメリットは、感情的になってしまう見失ったり、ネガティブな状態にはまり込んだりすると極めて視野がせまくなるということだ。
ディソシエイトのメリットは、状況を客観的に観察できたり、感情に振り回されず自己コントロールができることだ。
状況の全体が見えるため、肯定的な意見を見つけやすい。
デメリットは喜びなどの快の感情をアソシエイト状態の時と比べて感じにくくなるということだ。
両者の特徴を理解して適切に使い分けられるようにしよう。
アソシエイト | メリット ・ちょっとしたことにも喜びを感じることができる。 ・良い体験をアソシエイトで思い出すことで、モチベーションを維持することができる。 デメリット ・感情的になって自分を見失ったり、ネガティブな状態にはまりこんだりすると極めて視野が狭くなる。 |
ディソシエイト | メリット ・状況を客観的に観察できる。 ・感情に振り回されず、自己コントロールする余裕を持つことができる。 ・状況の前葉が見えるため、肯定的な意見を見つけやすい。 デメリット ・喜びなどの「快の感情」もアソシエイトの状態と比べて感じにくくなる。 |
今日から 瞑想 したくなる!〜瞑想を1年続けた 私の振り返り〜
トレーニング「知ったことを実践レベルに落とし込む」
味わったことのないものを、他人に言葉で理解させることは難しい。
しかし、実際にものを食べさせれば、その感覚を理解してもらうことは簡単だ。
理解には、頭で知るというレベルと体験して実感できるというレベルがある。
NLPでも、頭で知ることとワーク(実習)を体験して実感することの間には雲泥の差がある。
この項ではアソシエイトとディソシエイトを体験して実感するプログラムを紹介する。
1、目の前に映画のスクリーンをイメージする。
2、かつてとてもうれしかった体験を1つ特定する。
(例えば結婚式のシーンなど)
3、その嬉しかったシーンをビデオカメラで誰かに録画してもらったとする。
(よってこの録画した画像には自分自身が写っている)
4、その映像を目の前の映画のスクリーンに映し出し、それを見る。
(自分自身がとても喜んでいる映像を観客席から眺めている)
5、まるで他人事のように、客観的に見る。
6、しばらく体験したら、次にその映画のスクリーンの中で喜んでいる自分に意識を一致させる。
(自分の意識を喚起させる)
7、その当時のこと思い出して見える風景・聞こえる音・その時感じていた感覚・感情をありありと見て、聞いて、実感する。
8、しばらく7を体験したら意識を現在に戻す。
トレーニング「苦手意識を書き換える」
五感の質の変更(サブモダリティチェンジ)して印象を変えることができる。
印象を変えることにより、変化を作り出す方法を紹介する。
出来事とそれに張り付いてる印象分けて考えるトレーニングだ。
印象さえ変われば身体感覚的反応は変わる。
印象とは、見えるもの聞こえるもの感じるものなど五感の情報によって構成されている。
印象はイメージに過ぎないので、頭の中で自由に編集することができる。
このトレーニングを通して、苦手意識を書き換えることができる。
このワークを初めて行う人は、少し苦手といった程度の人を選択してほしい。
アソシエイトが強すぎる状態になっていると、すぐに変更することが難しいからだ。
1、少し苦手な人物を1人特定する。
2、苦手な人物のイメージと繋がる五感の特徴を明確にする。
具体的には、以下の4点を挙げてみてほしい。
「位置(距離)」「大きさ」「色の特徴」「動画or静止画」
苦手な上司をテーマとして選択した場合、まずその上司を思い浮かべる。
するとそのイメージが特定できる。(自分からどのくらいの位置・距離にいるのか)
また、自分の右側にいるのか左側にいるのか、そういったこともイメージできる。
大きさの例としては、等身大の80%位で、上半身が見えてるとか、全身が見えているとか。
色の例としては、白であるとか、カラーであるとか、ぼんやりと全体が見えるとか、細部まではっきり見えるとか。
動画or静止画は、動いているのか止まっているのかという具合だ。
位置(距離) | 自分からどのくらいの位置・距離にいるのか 右側にいるのか、左側にいるのか |
大きさ | 等身大の何%くらいか 上半身のみか、全体が見えているのか |
色の特徴 | 白黒か カラーか 細部まではっきりと色がついているのか |
動画or静止画 | 動いているのか、止まっているのか |
3、五感の特徴の質を変更する
次にそれぞれの特徴を変更すると変化の度合いが10点からで何点になるのかを記録する。
例えば距離が1メートルほど先に見えていたらイメージを10メートルほど先に動かしてみよう。
すると、印象が変わる。
そこで、なんとなくて良いのでどのくらい軽減されたのかを数値化しよう。
少し楽になった程度だったら8〜9点、大幅に楽になったなら2〜3点などのように書いてみる。
変更と違和感の度合いが明らかになったら、次に行った変更した五感を元に戻す。
先ほどの例であれば、もともと1メートル先にあったもの10メートルの位置変更した。
そこで、変更を行う前の1メートル先に戻す。
同様に大きさ・色の特徴・動画or静止画について同様だ。
それぞれ変更して、変化の度合いを数値化し、元に戻すというプロセスを繰り返す。
位置(距離) | 近いものは遠ざけてみる・遠いものは近づけてみる | 変化の度合い:10点⇨( )点 |
大きさ | 小さいものは大きく・大きいものは小さく | 変化の度合い:10点⇨( )点 |
色の特徴 | モノクロならばカラーに・カラーならばモノクロに ぼんやりしたものは明確に・明確ならばぼんやりと | 変化の度合い:10点⇨( )点 |
動画or静止画 | 動いているものは止めてみる 止まっているものは動かしてみる | 変化の度合い:10点⇨( )点 |
4、特に違和感の緩和に役立った「五感の質」をいくつか重ねて変更して終了する。
(例えば、「位置を10メートル先に変えて、さらに色白を黒に変える」などのように)
これは、記憶の編集作業と言い換えても良い。
刺激(五感情報)の質が変わることで、反応の質も劇的に変わるのだ。
脳にでは、特定の五感情報に基づいてプログラムが運用されている。
記憶はパソコンのデータのように上書き保存することができるのだ。
大切なのは、脳は最新のことが真実だと認識するということだ。
出来事の印象(五感の質)を変更したら、それが最後の印象になるのだ。
私たちは、他の人を変更することができる。
非常に簡単なことのように思えるが、人間は脳の取扱説明書を持って生まれてくるわけではないので、多くの人がただ知らないだけで実践できないのだ。
イメージはいつでも変えられる。
参考体験(記憶)の意味と印象が変われば世界は一変して見える。
出来事は事実だが、意味と印象はイメージに過ぎない。
これらは全て頭の中でイメージに過ぎないから、如何様にも編集ができるということを覚えておこう。
このトレーニングは、応用次第で印象操作に繋げることもできる。
「五感の質」に気づくには秘訣がある。
それは、正反対の対象と比較するということがポイントだ。
五感の質は、その特徴に気づいて初めて修正ができる。
そもそも気づけていないものをコントロールしようがない。
五感の質を発見するには、正反対の対象をイメージしよう。
イメージの位置が近いのであれば、サイズが大きいのであれば小さく、全体なのか一部なのか、明るければ暗く、鮮明ならばぼんやりと、カラーならばモノクロに、平面ならば立体、動画なら静止画、笑顔であれば無表情。
これら対極の状態を知っておくことで、サブモダリティチェンジが格段に行いやすくなる。