こんにちは、よだかです。
森村誠一さんの「老いる意味」を読み終えたので、感想をまとめていきます。
書店にて見かけて気になったので購入した1冊です。
筆者は現役の作家で、なんと現在88歳だということ。
その歳まで現役で作品を生み出し続ける思考や生き方が分かりやすくまとめられています。
明快な答えがあるわけではなく、丁寧な生き方を感じさせてくれる本です。
うつ病、余生、死、健康、夢などをテーマに紡がれる言葉の数々はシンプルでいて説得力があります。
そして”経験が人生を作る”ということを強く感じさせてくれます。
老いと向き合う
あなたは”老いる”という言葉にどのようなイメージを持ちますか?
年齢を重ねて、身体機能が衰えていくこと。一歩ずつ死へと近づいていくこと。大切な人たちとの別れを経験すること。
経験を重ねて、物事の捉え方が豊かになること。自分との付き合い方を深めること。生きている限り新たな出逢いに恵まれ続けること。
前向きな捉えと後ろ向きな捉えのどちらが多く出てきましたか?
”物事には2面性がある”というのは有名な言葉ですが、そこに囚われてばかりではいけません。
”老いる”ということは、現象・事実の一側面に過ぎず、それを自分がどう評価するのかは、自分自身で決めることができるのです。
良い・悪いという評価は相対的なものです。事実はただそこにあるのみで、評価は後付けです。
筆者はうつ病と認知症に苦しんでい3年間を振り返って「人生は天気のようなものである」と書いています。
私の感覚では、3年間というのは途方もなく長い年月のように感じます。
しかし、その3年間を光を求めて作家としての言葉を取り戻した歩みは、読者に勇気を与えてくれます。
他者に依存しない・尊敬される生き方
歳を重ねるということは”ひとりで生きていくことになる事実”に向き合うことと同義です。
家族に先立たれ、残された自分自身を承認してくれる場を作っておかなければなりません。無意味に歳を重ねるだけでは、きちんと生きたとは言えません。
生き方そのものが尊敬に値するような過ごし方をしたいものです。
何かの実績を残す、誰かの役に立つ、頼られる存在である、、、。
あなたの所属するコミュニティはいくつありますか?そして、その中であなたはどんな立場にありますか?”ひとり”で生きていく中で、集団や地域への貢献が自身の救いとなります。
人は自分で思ってる以上に多くのことに”依存”しています。”心の頼り”と”依存”は全く違います。
あるものやそばにいてくれる人を当たり前と思わないことが大切です。
今いる環境のありがたさを意識して過ごすことで、繋がりやご縁を大切にする生き方を心がけたいです。
生活習慣を自分でつくる
”健康は最上の資本”です。
どんなに長く生きながらえても、不健康で苦しみながら過ごすのでは楽しくありません。
体が若いうちから自分の生活パターンをきちんと観察して、自分に合った生活リズムを見つける努力をしましょう。
興味を持ったという方は、今日からそれに取り組むチャンスです。
多くの人は、衰えを感じてから健康管理に取り組みます。しかし、健康を肌で感じている時から健康管理を始めることで、過程そのものを楽しむことができます。
睡眠時間、食事、運動、入浴など、世の中には健康に関する情報が溢れかえっています。それぞれの発信者が、各々の知見の元、”価値ある情報”を届けてくれています。初めはその中から、自分に合った方法を試していくのが良いでしょう。試し続ける中で、自分に合った方法が必ず見つかります。
注意すべきなのは、情報をそのまま鵜呑みにして無責任に取り入れてしまわないようにすることです。
当たり前ですが、人間は一人一人違います。使えるリソース、適した生活リズム、家族構成、職場環境など、、、。
我々人間は”同じ種”ですから、大きなパターンに当てはめることはできますが、個別最適化した生活習慣は自身で発見しなければならないのです。
人は日々変化していくもの。適した生活習慣にも”これ”といった完成形はなく、少しずつ変化していくものです。そういった変化を楽しむ心を育むことが、健やかな生活習慣を作るヒントになるのです。
限られた時間の中で、嗜好品を楽しむ工夫も必要になってくるでしょう。筆者が”コーヒーを楽しむ工夫”に徹底的にこだわってる様子は、一読の価値ありです。自分が楽しみたいことをギュッと凝縮する工夫をしていきたいと感じました。
一番長く付き合うのは自分
人は死ぬまで自分であることから降りられません。少しでも心健やかに過ごせるよう、毎日工夫を積み重ねることが大切です。
”老い”を加速させないためには”出会い”を大切にすることです。
あなたは、出会いを大切にしていますか?
筆者は”3つの出会いの大切さ”について述べています。
1つ目は”人との出会い”。自分の知らないことを知っている・経験している相手。
2つ目は”文化との出会い”。本や映画、音楽、絵画、舞台など。
3つ目は”場所との出会い”。旅や引っ越しなどで新しい土地を訪れること。
自分が得意とする”出会い”はありますか?
人と会うのが好きな人、文化に触れるのが好きな人、旅行に行くのが好きな人、、、。自分に合った”出会い”から始めてみるのが良いかもしれません。
また、日々の中に適度な緊張感を持って過ごすことが背筋を正すことにもつながります。
ファッション、恋愛、読書、ボランティア活動、他者への気配りなど気持ちを若く保つ工夫もたくさん紹介されていました。
新しいことに出会い、自分自身を更新し続けましょう。
いつまでも自分の可能性を信じて生きることが、心を若く保つ秘訣なのでしょう。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
やはりこれだけ歳を重ねてこられた方の言葉は、説得力があります。当たり前のことの大切さと尊さを教えてくれる本書は、折に触れて読み返したい内容でした。
長い人生を歩んでこられた方の整理された言葉や淡々とした語りの中に、多くのことを内包する優しさと強さを感じます。長い時を生き、多くのことを経験したからこそ紡がれる言葉は、自分の人生を生きる人にだけ許されるものです。
生活習慣を見直したり、自分の人生をどう生きたいのかを丁寧に見つめ直したりしたい方におすすめの1冊です。
おすすめアクションプラン
自分の「バイオリズム」を記録して分析する
「量より質」で、美味しいものを求め続ける
目的を明確にして読書をする
「相手への思いやり」を意識して行動する