こんにちは、よだかです。
内田和成さんの「仮説思考 BCG流 問題発見・解決の方法」を読み終えたので、内容・感想をまとめていきます。
限られた時間の中で結果を出すには「仮説思考」を持つことが大切であると述べる本書。
ビジネスパーソンに役立つ思考法がしっかりと学べる素晴らしい本です。
筆者の内田和成さんは早稲田大学ビジネススクールの教師を務めていらっしゃる方です。これまでもビジネス関連の書籍を多数執筆されています。
YouTubeでも情報発信をなさっていて「コンサルの極意」やゲストを招いての対談はどれもたくさんの学びがあります。
一度、動画等でご本人の語り口調やお人柄に触れておくと、本書を読み込む際の理解度が高まるかと思います。
おすすめは「内田流ビジネス書の読み方」です!ビジネス書と小説をどう読み分けているのかを解説しています。
なぜ、仮説思考が大事なのか?
本書が発刊されたのは2006年。現在まで重版を重ねてきているので、この本が普遍的な価値をもっていることが分かります。
著者が述べるのは、ビジネスパーソンが身につけるべき「仮説思考」についてです。
ビジネスにおいては、データの収集や分析が非常に大切だということは周知の事実です。しかし、組織で働く限りは結果にコミットしなければなりませんし、仕事には必ず締め切りがあります。
限られた時間の中では、常に徹底的な情報収集と分析を行なっている暇はありません。
そこで役立つのが、仕事の本質を見極め結果を出す「仮説思考」です。
「仮説思考」を身につければ「問題を解決する力」だけでなく「問題を発見する力」も磨かれていきます。
スマートに問題を解決することができるようになるばかりでなく、そもそも何が問題になっているのかを見極める力も高まるのです。
後者の力が高まることで「そもそも取り組むべきではない問題」を見分けられるようになります。
つまり、無駄なことに頭を悩ませる時間が減って、自由に使える時間が増えるのです。
仮説・検証は簡単!
「仮説・検証」と聞くと「何だか難しそう」と感じる人もいるかもしれませんが、実はとても簡単です。
仮説・検証は以下の4ステップです。
①それらしい予想を立てて
②実際に行動し
③間違いを見つけて
④修正する
そして①〜④を高速で回し続けていくのです。
もっと簡単にいうと
「どうなるか予想して、すぐに行動し、失敗したら何がいけなかったのかを考え、すぐさま次の行動をする」
ということです。
私が特に重要だと感じたのは①それらしい予想を立てる=仮説を立てることと仮説・検証を高速で回すことです。
根性論で終わらせない
とにかくすぐに行動して、失敗してもすぐに立ち上がり、次のチャレンジをする。
これだけ聞くとタダの根性論ですね。
考えなしに挑戦し続けるだけでは、時間もエネルギーも無駄に浪費するばかり、、、。
時間とエネルギーを有効活用するために欠かせないのが「良い仮説を立てる力」なのです。
「良い仮説」があれば、例え失敗しても、その失敗から多くのことを学ぶことができます。
なぜなら、自分なりの根拠があって生み出された仮説は、その根拠自体が検証すべき材料になるからです。
「なぜ失敗したのか?」「どこがいけなかったのか?」
「なぜ上手くいったのか?」「どこが良かったのか?」
仮説の質が高ければ高いほど、確かめられることが増え、多くの学びが得られるのです。
良い仮説の条件
仮説を生み出す力が大切なのは上記の通りです。
次に問うべきは「良い仮説の条件」です。これも答えはシンプルで、条件はたったの2つ。
①行動につながること
②具体的で絞り込まれたものであること
サイクルを高速で回すためには、のんびりと仮説を練っている時間などありません。
確実に行動を起こせるアクションプランを伴う仮説である必要があります。
そして、その仮説は単発のジャストアイデアであってはいけません。
複数の要素を含んだ検証にたる仮説である必要があります。
アクションプラン:仮説を導く2ステップ
そこで①と②を満たす具体的な方法の提案です。
①期限・時間と場所とやることを具体的な表現や数字で決める
行動につなげるためには、行動せざるを得ない条件に追い込む必要があります。
大切なのは、紙とペンを使って、文字に書きおこすことです。
数字の力を借りるのも有効です。数字は意識に強烈に働きかける説得力があるので、定量的な指標としてどんどん活用しましょう。
例えば「これぐらいの時間を投下すれば、これぐらいの利益を得られるはず」というイメージです。
②最低でも3つ以上のアイデアを出し、それらを絞り込む
時間制限を設けて締め切りのある中でアイデアをどんどん書いていきます。
手が止まりそうになったら「なぜ?:理由」「どうやって?:方法」と自問して、深堀りしていきます。
1〜3分間で書けるだけ書き出してみましょう。これを3回ほど繰り返します。
2回目と3回目は、自分とは違う立場に立って考えるようにします。相手目線で思考することで、考えに客観性が生まれます。
3つのアイデアが並んだら、それらを絞り込んでいきます。
1つにまとめても良いですし、不要なものを取り除いてしまっても良いでしょう。
大切なのは、実際に手を動かして締め切りのある中で脳を使うというプロセスを何度も経験することです。
本質に迫る練習
本質というものは、初めから見えているわけではありません。
どんな達人も最初は初心者だったのです。
達人の達人たる所以は、途方もない量の修練を凡人とは比較にならない精度で繰り返しているという点です。
思考力もそれと同じです。おそらく、思考力を高める旅に終わりはありません。
思考力は使い続けるからこそ磨かれるのです。
あなたが仮説・検証のプロセスを意識しなくても自然と思考が回せるようになったら、別の世界が見えているはずです。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回は、ものすごく単純化して仮説・検証をする思考プロセスを紹介しました。
そして、仮説思考を磨くアクションプランを提案してみました。
この記事で紹介したのは、本書の内容のごく一部です。
他にも、コンサル流のひらめきを生み出す方法・仮説の検証方法・ディスカッションのコツなど、タメになる内容が盛りだくさん!
ビジネス思考の原点を学べる本書、おすすめの本ですのでぜひ手に取ってみてください!
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