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『世界一流エンジニアの思考法』:要約&botterから見た5つの実践ポイント

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2025年4月26日

こんにちは、よだかです。
仮想通貨bot開発に全力投球する毎日──そんな私が何度も読み返しているのが『世界一流エンジニアの思考法』。本記事の前半では本書の内容の要約を、後半では、本書からの学びが実際にどんな形で私の開発に活かされているかを具体例とともに紹介します。

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本書の内容まとめ

本書の内容はbot開発やエンジニアだけでなく、多くの仕事やチームでの働き方に至るまで幅広い範囲に役立てることができます。まずは、要約に目を通してみて、「自分にはこれが役立つかもしれない」という部分を探してみてください。

0.本書のマインドマップ

1. 生産の前の徹底

“出力”に入る前に、徹底的にインプットと仮説検証を行う

  • じっくり理解する ⇒ 時間をかけて深く学ぶ
  • 基礎練習を反復する
    • 新しく覚えた技術は「覚えているうち」にすぐ使ってみる
  • メンタルモデルを構築 ⇒ 頭の中で処理フローをイメージ
  • ログを分析して仮説を立てる
    • Fiddler+WSL2 などで通信ログを掘る
  • ファクト重視のサイクル
    1. 事実を収集
    2. 必要ならルール化・因果仮説を立案
    3. 論理的に検証(コード実装/テスト)

2. マインドセット

最小限の努力で最大限の成果を出す

  • Be Lazy:不要な作業は徹底削除、労力は最低限
  • 短時間集中(30分~1時間単位)
    • 中断時は必ずログを残し、再開しやすく
  • 1日1タスク集中 ⇒ マルチタスクは禁止
  • 1日4時間は深堀り作業に充当、残りは自動化/外注
  • Fail Fast の原則:try → fail → feedback → update を高速で回す
  • 時間と Value(成果)を見える化し、優先順位付け

3. 脳に余裕を作る

考えるリソースを節約し、瞬発力を高める

  • 「調べなくてもできること」を増やす
  • 自分が“ムダ”と判断した努力は即やめる
  • 難易度を落として反復練習 ⇒ わからない点を瞬時に見抜く
  • 理解・記憶・実装のサイクルを最適化し、考えるコストを減らす

4. コミュニケーションの極意

無駄を排して、スピーディに意図を伝える

  • 情報量は最小限に ⇒ 追加情報は要請があったときだけ提供
  • その場で回答できる範囲を最大化
  • 簡単なことほど丁寧に説明
  • タスクの“責任者”を明確にする
  • メモ・ドキュメントで記録を残す
  • クイックコール(電話・音声)で即解決を図る
  • 対面/リモート問わず、安全な議論設計

5. サーバントリーダーシップ

信頼を前提にメンバーを主体的に動かす

  • フラットな関係性を維持
  • メンバーを“大人扱い”して権限を委譲
  • 必要なときに相談・サポートを提供
  • 信頼関係をベースに、作業量(アウトプット)を最大化

6. 質を高める生活習慣

体と集中力のケア

  • 未完タスクを減らし、“完了感”を高める
  • 1日集中できるのは最大4時間 ⇒ タイムボックス管理
  • 画面から離れ、瞑想(5–10分)や十分な睡眠で脳を休める
  • 生産性向上のために学習時間を確保

脳内メンテナンス

  • 食事(ナッツ、玉ねぎなど脳に良い食材)
  • 運動(筋トレ/ランニング/HIIT)で思考力を活性化
  • 定期的に計算・検証タスクを行い、頭の“錆”を落とす
  • 記憶習慣をつける(暗記ではなく“思い出すクセ”を養う)

7. AI時代を生き抜く

AIを「敵」ではなく「相棒」に変える

  • 自身の専門性を深化させ、AIには真似できない領域をつくる
  • AIツール(ChatGPT・各種APIなど)を積極活用
  • ソフトウェアを自在に動かし、自動化を加速
  • 物理的・対人ストレス耐性を鍛え、AIと協働できる環境を整備

botterとして本書をどう活用するか?

ここからは専業botterとして過ごす私が、本書の内容をどのように役立てているのかを具体例とともに紹介します。

主に以下の5つ(①生産の前の徹底、②マインドセット、③脳に余裕を作る、⑥質を高める生活習慣、⑦AI時代を生き抜く)が、bot開発の様々なフェーズで役立っています。

1. 生産の前の徹底: (“コードを書く前の調査・仮説検証”)

  • 通信ログの深掘り
    • 各取引所APIの挙動を把握するため、Fiddler+WSL2でHTTPリクエスト/レスポンスを解析。
    • ChatGPTでのサンプル解析と併せ、「なぜエラーが返るのか」を仮説→コード修正→再テストで検証。
  • メンタルモデル構築
    • Botの注文ループ処理を図解し、各ステート遷移を頭の中でシミュレーション。
    • 開発ログに書き起こすことで “どの条件でキャンセルするか” を可視化。

2. マインドセット: (“Fail Fast と集中ワーク”)

  • Fail Fast の高速サイクル
    • 新しい戦略は30分でPoC(開発前の検証プロセス)→テストネット実行→問題点検出→即改修。
  • タイムボックス管理
    • 朝4時~8時の“深堀りタイム”を4時間に固定(集中力が必要なタスクは午前中に)。他の雑務は昼以降に回すことで集中力を最大化。
  • 1日1タスク集中
    • 「各種Botのリスクガード実装」「Slack通知の拡充」など、日ごとに最重要タスクを一つに絞り込む。

3. 脳に余裕を作る: (“コマンド・コードを“覚え込む”工夫”)

  • 定型操作の暗唱化
    • メインで使用するモジュールのAPI呼び出しパターン、SQLiteへのPnL保存コードなど、何度も反復して“調べずに書ける”レベルに。
  • ムダを排除
    • “一度も使わない引数”や“不要なログ出力”を自動的に省くスクリプトをCIに組み込み、コードレビュー負荷を軽減。

6. 質を高める生活習慣: (“体調・集中管理のルーティン化”)

  • 4時間ルール
    • “深い集中”に使えるのは1日最大4時間。それ以外は休憩・ランニングでリフレッシュ。
  • 脳内メンテナンス
    • バターコーヒー+5分瞑想→コードレビュー、自動取引テスト→10kmランニングなど─このルーチンで集中力と体力を維持。
  • 睡眠&瞑想
    • 5–10分の呼吸瞑想で、前日の“未完タスク”や“バグストレス”、"集中力の低下"をリセット。夜はしっかり寝る。最近は22時までには就寝。

7. AI時代を生き抜く: (“ChatGPTとともにコードを書く”)

  • AI生成+自分のリファクタ
    • 開発ログやテキスト指示からChatGPTに雛形コードを生成させ、CIテスト→自分で最終チェック&回帰テストを追加。
  • 専門領域の深化
    • “API挙動の深い理解”や“システムトレーダーとしての直観”はAIに真似できない部分と割り切り、価値を集中。
  • 自動化パイプライン
    • Terraform+KubernetesマニフェストをAIで草案生成→自分で最終調整し、本番デプロイの自動化を実現。

まとめ:botterならではの視点で得た“実践的知見”

本書の抽象的な原則を「取引所APIの通信解析」「Botのリスクガード」「デプロイ自動化」「集中ルーチン」に落とし込むことで、ただの“エンジニア指南書”に留まらない、自分だけの開発メソッドの洗練に役立てることができています。しかも、まだまだブラッシュアップできる余地があります。

あなたがもし専業または兼業botterなら、ぜひ一度『世界一流エンジニアの思考法』をポケットに入れて、上記5つのポイントから1つずつ試してみてください。開発効率も品質も、想像以上に向上するはずです。

総まとめ

いかがだったでしょうか。本書の内容がエンジニアとしての仕事のみならず、さまざまなことに応用できるということが伝わったのなら幸いです。

私は本書を、"開発フローの改善方法"を丸ごと獲得できる一冊だと思っています。具体的なテクニックを織り交ぜながら、それを実践することでエンジニアとして、プロダクトの創造者として、長く役立つ考え方を育むきっかけになる本書。

おすすめの本ですので、ぜひ一度手に取ってみてください。

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