こんにちは、よだかです。
今回は、『利己的な遺伝子』解説シリーズのパート2。
本書は、私たちの「生きる意味」や「存在の理由」を、遺伝子の視点から鮮やかに描き出した名著です。
今回のテーマは、
**「安定な生存が、競争を生んだ」**という壮大なストーリー。
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この記事・本をオススメしたい人
- 『利己的な遺伝子』を手に取ってみたい方
- 生物の起源や進化に興味のある方
- 生存競争の本質を、ゼロから理解したい方
第2章:安定を求めた分子たち
まず大前提として、すべての物質は「安定した状態を保とうとする」性質を持っています。
岩や水、木々、大気、そして私たちの身体も──
その存在の裏には、安定のための仕組みがあるのです。
生き物が食べたり呼吸したりするのも、細胞を維持するため。
つまり、生存とは、安定を追求する営みだと言えるでしょう。
新たな安定性の出現
地球誕生後、原始の海にさまざまな分子が出現します。
あるとき、「自己複製能力を持つ分子」が生まれました。
これはつまり、自分のコピーを作ることができる分子。
ただし、コピーは常に完璧ではなく、時にはエラー(=突然変異)も起きます。
ここが進化のターニングポイント。
🔬 ミスによって新たな形質が生まれ、その中にはより安定しやすいものや、他の分子と強く結びつけるものも登場してきたのです。
こうして、多様性と変化が生まれました。
そして競争が始まった
限られたリソースを巡って、
「より速く、より多く、正確にコピーできる分子」が有利になっていきます。
つまり、生存をかけたコピー合戦が始まったのです。
防御の仕組みとして誕生したのが細胞膜。
他者に侵食されないように、分子たちは自分を囲う構造を作り出しました。
そしてここで初めて、「細胞」が誕生します。
生き物とは、遺伝子が**自己を安定して保存するために設計した“生存機械”**である──
というドーキンスの核心に、ぐっと近づく章です。
まとめ:安定から競争へ、そして進化へ
今回のまとめです。
- 生物の原点には、「安定して存在したい」という物理的性質がある
- 自己複製の誕生によって、多様性と進化が始まった
- 資源の奪い合い=競争が生まれ、防御として細胞膜が形成された
- 細胞の起源は、遺伝子の“生存戦略”に基づいている
📕『利己的な遺伝子』を読み進めたい方へ
「競争の始まり」にロマンを感じた方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。
読むたびに、自分自身の存在をまったく違う角度から捉え直せる一冊です。
次回は、いよいよ「遺伝子の利己性」に焦点が当たります。
なぜ遺伝子は“利己的”なのか?
そしてそれは本当に“利己的”なのか?
あなたの価値観が揺さぶられるかもしれません。
どうぞお楽しみに!
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