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【競争はどこから生まれたのか?】『利己的な遺伝子』をやさしく解説|Part.2|リチャード・ドーキンス著

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こんにちは、よだかです。

今回は、『利己的な遺伝子』解説シリーズのパート2

本書は、私たちの「生きる意味」や「存在の理由」を、遺伝子の視点から鮮やかに描き出した名著です。

今回のテーマは、
**「安定な生存が、競争を生んだ」**という壮大なストーリー。

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この記事・本をオススメしたい人

  • 『利己的な遺伝子』を手に取ってみたい方
  • 生物の起源や進化に興味のある方
  • 生存競争の本質を、ゼロから理解したい方

第2章:安定を求めた分子たち

まず大前提として、すべての物質は「安定した状態を保とうとする」性質を持っています。

岩や水、木々、大気、そして私たちの身体も──
その存在の裏には、安定のための仕組みがあるのです。

生き物が食べたり呼吸したりするのも、細胞を維持するため。
つまり、生存とは、安定を追求する営みだと言えるでしょう。


新たな安定性の出現

地球誕生後、原始の海にさまざまな分子が出現します。

あるとき、「自己複製能力を持つ分子」が生まれました。
これはつまり、自分のコピーを作ることができる分子。

ただし、コピーは常に完璧ではなく、時にはエラー(=突然変異)も起きます。

ここが進化のターニングポイント。

🔬 ミスによって新たな形質が生まれ、その中にはより安定しやすいものや、他の分子と強く結びつけるものも登場してきたのです。

こうして、多様性と変化が生まれました。


そして競争が始まった

限られたリソースを巡って、
「より速く、より多く、正確にコピーできる分子」が有利になっていきます。

つまり、生存をかけたコピー合戦が始まったのです。

防御の仕組みとして誕生したのが細胞膜
他者に侵食されないように、分子たちは自分を囲う構造を作り出しました。

そしてここで初めて、「細胞」が誕生します。

生き物とは、遺伝子が**自己を安定して保存するために設計した“生存機械”**である──

というドーキンスの核心に、ぐっと近づく章です。


まとめ:安定から競争へ、そして進化へ

今回のまとめです。

  • 生物の原点には、「安定して存在したい」という物理的性質がある
  • 自己複製の誕生によって、多様性と進化が始まった
  • 資源の奪い合い=競争が生まれ、防御として細胞膜が形成された
  • 細胞の起源は、遺伝子の“生存戦略”に基づいている

📕『利己的な遺伝子』を読み進めたい方へ

「競争の始まり」にロマンを感じた方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。

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読むたびに、自分自身の存在をまったく違う角度から捉え直せる一冊です。


次回は、いよいよ「遺伝子の利己性」に焦点が当たります。

なぜ遺伝子は“利己的”なのか?
そしてそれは本当に“利己的”なのか?

あなたの価値観が揺さぶられるかもしれません。

どうぞお楽しみに!

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