こんにちは、よだかです。
みなさんは、エドワード・ゴーリーをご存知でしょうか?
絵本好きの間ではカルト的な人気を誇る作家の一人です。
彼の作品の魅力は何といってもダークな世界観!
幸福を期待する方は、絶対に読まないください。
ゴーリーの描く陰鬱な世界に救いは訪れません。
しかし、その作品世界にはどこか美しさも感じます。
残酷であることを徹底して描き抜いた姿勢から、私たちは何を感じるのか?
一風変わった作品を求めている方には、是非とも手に取っていただきたい作品ばかりです。
ハッピーエンドはもう飽きた、新しいテイストの絵本に触れたいという方に向けて、7冊の絵本を選びました。
どの作品もゴーリーの魅力を知るきっかけとなる1冊です。
それでは早速紹介していきます。
うろんな客
今回紹介する作品の中では、最もマイルドな1冊です。
ある家に訪れた謎の生き物。
彼(?)はペンギンのような姿をしていますが、ペンギンにあらず。
彼(?)の仕草のひとつひとつが可愛らしくユーモラスであり、不思議な魅力を感じさせます。
何だかよく分からないお客様を迎える一家の面々は、困惑しつつも追い出すわけでもなく、、、。
不条理をそのままに受け取ることって私たちの日常にも見え隠れするなぁ、と感じさせてくれます。
ギャシュリークラムのちびっこたち
AからZまでを頭文字にもつ26人の子供たち。
彼ら彼女らが次々にひどい目にあっていくだけのお話。
テンポよく韻を踏んだ語り口調から繰り出される悲惨な情景。
淡々と26人の死に様が描かれていくのに、不思議と不快な気持ちにならないのは何故なのか?
無常観というものを絵本で表現すると、こういう形になるのかもしれません。
子供には絶対に読み聞かせできません。
不幸な子供
不幸な少女・シャーロットの物語。
彼女にハッピーエンドはありません。
これでもかと押し寄せる不幸の数々は「ここまでやるのか」と読む人の心を打ちのめします。
この作品をただの不幸な物語で終わらせていないのは、繊細な線画が伝える表現力にあります。
絵からひしひしと伝わってくる不安感は、そこらのサスペンスドラマよりもよっぽど良質な体験です。
各ページに描かれている怪しい生き物の存在も、不安感を煽る重要なファクター。
「人の不幸は蜜の味」という言葉があります。
自分自身の内面にも儚く醜い一面があるかもしれない、ということを感じさせてくれる作品です。
華々しき鼻血
この作品はセンスの結晶。
AからZまでの副詞を集めてそれに合う絵を並べた作品。
見慣れない言葉が多いのにも関わらず、これだけの言葉遊びを楽しもうとするゴーリーのユーモアセンスに感心させられてしまいます。
どのページも独立した物語が描かれていて、読み手の想像力をかき立ててくれます。
どんな不幸が訪れるのか直接描かれていない分、その先の展開を自然と想像させられてしまいます。
この絵本を読んでいるうちに、あなたは不幸の予感をゲーム感覚で楽しむ自分がいることに気づくことでしょう。
ウェエスト・ウィング
絵本でホラーをたのしみたい方必読の1冊!
人物のやりとりが一切描かれず、とある建物の描写だけで進む物語。
文字や言葉も一切描かずにここでまで恐怖感を演出できる作品は、他にありません。
この建物の中でかつて何が起こったのか?
終始漂う不気味な雰囲気から、様々な想像をかき立てられてしまいます。
何度も読み返したくなる静かなホラー絵本です。
蟲の神
救いがない、歯切れの良い不吉な絵本。
絶え間ない不安感を体験したい方は手に取ってみてください。
蟲の神に贄として捧げられる子供の道中を伝える語り部。
淡々と描かれる不吉が読む人を強烈に惹きつけます。
翻訳も秀逸で、七五調のリズムが不穏な雰囲気の作品に読みやすさを加えてくれています。
メンタルが不安定な時には、絶対に読んではいけない本でもあります。
おぞましい二人
今回紹介する中で最大の問題作です。
二人の男女の出会いを描き、その後の残忍な生涯を描くストーリー。
二人の起こす犯罪は実際の事件をもとに描かれたとのことで、こういった作品を世に送り出すクリエイターの心境を考えてみたくなります。
こういった類の作品はハッキリと読み手を選びますし、嫌悪感をあらわにする方もいることでしょう。
自分なりの覚悟と答えをもって作品に挑みたい方は、ぜひ一度手に取ってみることをオススメします。
衝撃が大きい分、得られる気づきもきっと大きいはずです。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
エドワード・ゴーリーの作品は、読み手を選びます。
ハマる人にはとことんハマる世界観と作者の哲学。
紹介した7冊が、新しい絵本との出会いになれば幸いです。
今後も皆さんのお役に立てる情報を更新していきます。
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