こんにちは、よだかです。
今回は、進化論の名著として知られるリチャード・ドーキンスの**『利己的な遺伝子』**をご紹介します。
この本、名前だけ聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
「難しそう」「分厚くて手が出ない」と思われがちな一冊ですが、実は生物の本質にぐっと迫れる驚きと発見の宝庫なんです。
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この記事を読むと良い人
- 『利己的な遺伝子』を読んでみたいがハードルを感じている方
- 生物の「そもそも論」に触れてみたい方
- 道徳と進化を切り離して理解したい方
1章ずつやさしく解説していきますので、じっくりお付き合いください。
第1章:「我々がなぜ存在するのか」から始まる問い
この章では、本書の前提となる考え方が整理されています。
「なぜ私たちは存在しているのか?」
この問いに対し、ドーキンスはダーウィンの進化論を軸に、「遺伝子の視点」から明快な答えを与えようとします。
生き物は“遺伝子の乗り物”であり、私たち自身が遺伝子のために存在している──。
という視点は、本書の根幹を成す概念です。
本書のスタンスを整理する
読者が誤解しないように、ドーキンスは次のような「誤解してほしくない点」を最初に明示しています。
☑️ 道徳の本ではない
「利己的/利他的」という言葉には、どうしても道徳的な意味合いがついて回ります。
しかし本書では、価値判断を一切排除し、事実としての生物の振る舞いを分析しています。
☑️ 「氏か育ちか」の議論ではない
遺伝か環境かという古典的な問いに答えるのではなく、本書はあくまで遺伝子の視点からのメカニズムを語っています。
☑️ 生物行動のハウツーではない
動物の行動事例は多数出てきますが、それは目的ではなくあくまで考察の材料。
表面的に読むと「利他的な行動」に見えても、その奥には遺伝子の自己保存という利己的な論理があると示されます。
核心にあるのは「遺伝子の利己性」
本書の主張は非常にシンプルですが深いです。
生物は、遺伝子を自己複製し、次世代に残すための「生存機械」である。
たとえば、親が子を守る行動は利他的に見えますが、その子に自身の遺伝子が引き継がれていると考えると、まさに「自分の延長」を守っていることになります。
また、群れの中で誰かが囮になって仲間を救う行為も、実は間接的に自らの遺伝子が生き延びるための行動だと解釈できるのです。
一見すると「種の保存」のように見える行動の奥に、遺伝子のしたたかな戦略が隠れている──。
これが本書の圧倒的な魅力です。
次回に続きます!
第2章ではいよいよ「遺伝子の自己複製」による生存戦略が登場します。
進化論を再定義するような、スリリングな視点が満載です。
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本書を読み解く旅は、「なぜ生きるのか?」という根源的な問いに、まったく新しい光を当ててくれます。
あなたの思考に、小さな革命を。
次回もどうぞお楽しみに。