どうも、よだかです。
今回は「利己的な遺伝子」やさしく解説のパート2。
生物観を揺るがすベストセラーである本書。
今回は「安定な生存が競争を生んだ」という内容です。
30億年の年月をかけて、原初の海から生じた遺伝子の起こり。
細胞になる以前に、自己複製の機能を獲得した原子。
新たな安定性を獲得する過程で徐々に細胞へと変化していったのです。
それでは、早速内容のまとめに移っていきましょう。
この本・記事を読んで欲しい人
・利己的な遺伝子を読んでみたい
・生物の起源を知りたい
・進化の本質を理解したい
安定のための生存
物体は、その本質として「安定して存在したい」という性質があります。
岩、水、木、空気に至るまで、この世に存在するあらゆる物質がその場に止まっているのは、原子が安定したい性質を持っているからです。
これは、生物の体に対しても当てはまります。
私たちの体は、勝手に崩れ去ったり、形が変わってしまうことはありません。
基本的には、同じ形を維持しようとしています。
そして、安定して存在するために、外部から様々なエネルギーの源を取り入れています。
例えば、食事。
何かを食べたり飲んだりすることで、体の組織を活性化したり、作り出したりしています。
呼吸も同様です。
大気中の分子を取り込んで、細胞の活動に利用しています。
生物が安定して存在するためには、このように外部環境との関わりを日頃から絶えず行うことが欠かせません。
この営みが”生存”なのです。
自然界において、食べたり食べられたりする関係も、生存のサイクルに組み込まれています。
進化を繰り返して、生存競争の勝ち残ってきた生物が、現在の地球上に存在する種だと言えます。
では、その生存が”競争”に変わっていったのはいつごろからなのでしょうか?
新たな安定性
地球が生まれてから、原始の海ができ、その中には様々な原子・分子が発生しました。
無数のパターンの中に、ある時、自己を複製する性質を持つ分子が生まれます。
同じ分子との親和性がある分子は、同じ分子をと結合し、より安定した状態を保つことができるようになりました。
また、自身とは別の種類の分子と親和性がある分子は、それらと結合し、そこでもより安定した状態を保つことができるようになりました。
重要なのは、単体ではなく複数で存在することで、より安定した状態を作り出す事ができる分子が現れたことです。
特に興味深いのが、別の分子に親和性を示す分子の存在です。
鋳型のように、コピーを作り出す能力も完璧ではなく、結合の形態が複雑になる程、コピーミスが生まれやすくなります。
コピーミスによって誕生した結合体は、コピー元とは別の種類の安定性を持つことになります。
また、その形質についても、コピー元とは別の状態になります。
安定のために生まれたコピーという形質が、変化を生み出す元となっていくのです。
競争が生まれた
原始の海の中では、長い間結合状態が続き、コピー速度が速く、正確にコピーできる分子が有利です。
なぜなら、分子の総量は決まっているからです。
限られたリソースを奪い合って、コピー合戦が始まりました。
これが”競争”の起こりだと考えられています。
コピーするための戦略として、相手の資源をより獲得しやすい形質を持ったものが生まれると、今度は資源を奪われることを避けるため防御する形質を持ったものが生き残りやすくなます。
この防御方法が細胞膜の起こりです。
より強力な安定状態を維持しようという営みが、自己を安定して保存する戦略に繋がっていきます。
最初の細胞はこうして誕生したのです。
ここから、細胞は”遺伝子が自己を保存するための生存機械”であるということが定義できます。
そして、生存競争に有利な細胞が集まって、攻撃も防御も兼ね備えた存在へと”進化”していくのです。
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
今回は、「安定したパターン」を獲得することが「新たな安定性」を生むことに繋がり、それが「競争」に繋がったという流れをまとめました。
細胞の起こりが、遺伝子の生存戦略に基づいているという事実は非常にスリリングでしたね。
次章では、遺伝子の優れた特性に注目し、その”利己性”について深めていきます。
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