こんにちは、よだかです。
みなさんは、ショーン・タンという絵本作家をご存知でしょうか?
絵本作家として様々な作品を世に送り出してきており、今なお活躍中の人物です。
彼の作品の魅力は、幻想的な世界観です。
現実世界からかけ離れた設定を描きつつも、どこか私たちの暮らす世界と繋がっているような不思議なストーリーを巧みに展開します。
完全に入り離された幻想でななく、現実と地続きの幻想とでも言うべき不思議な世界観がショーン・タンの持ち味です。
今回は、不思議な魅力あふれるショーン・タンの作品を7冊紹介します。
日常の生活を離れて、幻想的な世界を体験したい方におすすめの作品を選びました。
それでは早速紹介していきましょう!
セミ
ブラック。
この絵本の第一印象を表現するならば、この言葉が最もふさわしい。
17年間、会社勤めをしてきたセミの物語。
1日たりとも休むことなく、人間達に虐げられても耐えに耐えぬいてきたセミ。
そんな彼を待ち飢えていたのは理不尽な決定でした。
怒りをあらわにするでもなく、淡々とその事実を受け入れたかに見えたセミが迎えるエンディングは、読んだ人に心に衝撃を与えます。
セミの残した最後の言葉が、胸に深く突き刺ささります。
短いストーリーの中で、読者に自分自身を見つめ直させようとする作品です。
夏のルール
子供の頃の懐かしい記憶。
小さな頃の記憶って妙に美化されがちです。
この作品はノスタルジックな気持ちを呼び起こしてくれます。
時折描かれる不気味な生物達と、黄昏時の風景。
どことなく暗い雰囲気が漂うものの、ほんのり残る懐かしさを感じるのは、そこに兄弟の絆が描かれているから。
少年の心のままに夏を過ごした頃のことを思い出させてくれる1冊です。
アライバル
セピア色の絵が見る人の心を惹きつけます。
新天地を目指して旅立った男の旅の道中と、そこに家族を呼び寄せるまでのストーリー。
描かれる表情の描写がとてもリアルでついつい感情移入させられてしまいます。
旅の途中で出会う生き物も、可愛らしいものからとんでもなく恐ろしいものまでいて、、、。
文字を一切使うことなく、最後まで絵だけで物語を描き切っています。
言葉に頼らず、これほどまで見事にお話を展開する作品には未だかつて出会ったことがありません。
今回紹介する絵本の中で、ぶっちぎりでナンバーワンの作品です。
エリック
穏やかさと丁寧さが共存する絵本です。
読み終えた後に、人に優しくなれること間違いなしの1冊。
留学生として我が家にやってきたお客様のエリックは、ちょっと独特なお国柄で家族の生活に新しい風を呼び込みます。
独特のお国柄を感じさせながらも、好奇心旺盛かつ子供のような素直さ全開のエリックは、その丁寧な振る舞いも相まって愛されるキャラクターとして描かれています。
実際に我が家にも、こんな素敵なお客様をお迎えしたくなります。
物語のラストには、エリックからの素敵な贈り物が明らかになり、読者の心を温めてくれます。
レッドツリー
幻想的なアートを思わせる作品ですが、それ以上に迷っている人の心の救いとなり得る可能性を秘めた絵本です。
暗くて陰鬱な雰囲気で始まるストーリーで、展開も不安や恐怖をあおるものばかりを描きます。
終始穏やかでない絵と言葉が続きますが、ラストシーンでは救いがふっと描かれます。
不安な気持ちを抱える人にとっては、心を軽くしてくれる絵本として機能するでしょう。
物事の捉え方をちょっぴり前向きにしたい方は、ぜひこの絵本を手に取ってみてください!
ロスト・シング
少年が海辺で見つけた”迷子”。
”迷子”は、明らかに生物っぽくない造形なのにどこか不思議な魅了を感じさせます。
ストーリーよりも作品世界の雰囲気を楽しむ絵本です。
1ページ1ページが細かく作り込まれていて、本編以外にも様々なおまけが散りばめられています。
凝った作りの分、やや読みにくいのも事実ですが、繰り返し楽しみながら読める作品でもあります。
遠い町から来た話
彼の作品にハマったら、この作品は是非とも読んで欲しい!
ショーン・タンの人間性が感じられる短編集です。
彼の生み出すストーリーや哲学に深く触れたい方に特におすすめです。
今まで知らなかった全くの異世界に連れて行ってくれます。
その世界は、優しく、懐かしく、切なく、愛しい。
この1冊を読む経験そのものが、人生の余暇なのだと実感できます。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
気になる1冊は見つかりましたか?
この記事がショーン・タンの幻想的な世界に足を踏み入れて、その魅力を体感する機会になれば幸いです。
今後も、皆さんのお役に立つ情報を発信していきます。
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