こんにちは、よだかです。
ヒュー・バーカーの「億万長者だけが知っている教養としての数学」を読み終えたので、内容・感想をまとめていきます。
数学的思考を教養として学ぶことで、世の中の出来事を客観性を持って判断できるようにしてくれる本書。
根拠のない出まかせやそれらしい甘い儲け話に乗せられて痛い目を見たくないという人は本書を読んでおいて損はないでしょう。
平時からお金を扱う仕事に携わる方々には当たり前になっている考え方を数学的思考という武器で裏付けていきます。
本書が見せてくれる世界は、まさしく教養としての数学です。
また、数学的思考をビジネスにどう活かすのか、どのようにお金儲けに繋げるのかという話題にも切り込んでいるので、そういった話に興味がある方々にも役立つ内容となっています。
数学はこの世の在り方を捉える方法の一つとして、かなりの精度を誇っています。この本を読むことで、目の前の出来事の捉え方がより一層豊かになるでしょう。
多くの人間が信頼を寄せる世界一役に立つ数学的思考力の磨き方を知りたい方必読の1冊!
非常に豊富な内容ですので、本記事では「ギャンブルで儲けることは可能か?」「稼ぐ理論」「数学の強い世界」「パレートの法則:応用」の4点に絞ってまとめていきます。
それでは早速紹介していきましょう!
ギャンブルで儲けることは可能か?
結論から言うとお金儲けの手段としてギャンブルを選ぶのはお勧めできません。
確かにギャンブルには少ないリスクで苦労をせずに一攫千金の富を得る可能性があります。
日常生活では味わえないようなスリルの中でお金儲けも同時にできるだなんてまるで夢のようですね。
しかし、ギャンブルをするにあたって最低限理解しておかなければならないことがあります。
それは、カジノをはじめとするギャンブルの胴元は絶対に破産しない仕組みになっているということです。
ギャンブラーが起こりうる全ての可能性に同時にベットしたとしても、リターンが得られないようになっているのです。
これが俗に言う「胴元の取り分」です。そもそもギャンブラーに有利な商売をしていたら、カジノやパチンコ屋はとっくに潰れてしまっています。
例えば競馬において、全ての組み合わせの馬券を全て購入したとしても、帰ってくる金額は元金を割るように倍率が調整されているのです。
これはハウス・エッジ(控除率)と呼ばれ、あらゆる胴元にはこれを開示する義務があります。本やウェブサイトにも広く情報が出回っているため、それらをきちんと調べてみるのも良いでしょう。
代表的なものは日本の宝くじで、ハウスエッジはなんと45.7%!高過ぎ!
宝くじで儲けようとするのは現実的ではありませんね、、、。
一方、カジノのハウスエッジはどうでしょうか?
ゲームにもよりますがカジノゲームのハウスエッジは1〜5%と随分良心的な数字です。
それでも、同じゲームを続けてプレイしたり、少ない元手でプレイに臨んだりすることは統計学の観点からお勧めできません。
ハウスエッジに従い、軍資金が緩やかに溶けていくことになります。
そもそも、ギャンブルはその性質上、人の脳に得するかもしれない可能性を過大に感じさせてしまうのです。
人の心は統計がとても苦手です。
通常、圧倒的な量のデータが集まるほど、その平均値は事象の中に最も起こりうる確率が高いものに収束していくのです。(大数の法則)
しかし、ごく少数の事例の中に一つでも大成功したものがあると、それを全体に起こる可能性として認識してしまいがちです。(小数の法則)
本当は、多くの試行回数を重ねて徹底した統計調査を行わなければならないのに、自分にとって都合の良い僅かな成功事例が起こりやすいものだと見積りがちなのです。
この事実を数学的観点から認識し直してさえなお、誤った確率を信じてしまいがちなのですから、最早ギャンブルそのものから距離を取ることが最善の策です。
ギャンブルは嗜む程度に留めておくのが良さそうです。
ギャンブルでお金儲けができるかどうかを膨大な時間を使って検証してみたいという方はこの限りではありませんが、、、。
お金儲けを手放した方がギャンブルと仲良くできそうだという結論は皮肉が効いていて面白いですね。
稼ぐ理論
とはいえ、数学的思考をお金儲けに使えないのかと言われればそんなことは全くありません!
むしろ大いに活用できる要素が満載です!特にリスクを避け、不確定要素を抑えるという観点では有益な思考法がたくさんあります。
そのためにもまずお金について定義しておく必要があります。
本書では、お金=交換可能な価値の指標であると定義しています。その額で交換可能な商品・サービス・資産を数える手段に過ぎないのです。
そして、価値というのは変わり続けるものです。
つまり、お金を儲けるには主に2つの方法があることが分かります。
①価値の変動を利用する=安く買って高く売る
②価値を付加する=原材料を加工してもっと価値のあるものを作る
①も②も重要なのは、人が欲しいと思うものを付加価値として提供できるかという点です。
ビジネスでお金儲けをしたいのなら、マーケットをリサーチして需要を発見するか創造するかしなければなりません。
自分が損をしないマーケットを選ぶにはどうしたら良いのでしょうか?
そこで役立つのが72の法則です。
これは72を成長率(または預金や投資の利率)で割ることで、元本が2倍になるまでの年数を計算するという方法です。
例えば、年利4%の株式投資をしていた場合72÷4=18で元本の2倍になるまで18年かかることになります。
この結果をもとに、長期的な投資の是非を判断すると良いでしょう。
元本を2倍にするまでにかかる年数と自分が持っている時間を天秤にかけて、資本を投じるかどうかを決めれば良いのです。
あくまで概算であり、金利が5〜10%の時に最も正確な数値が出る、極端な成長率が見られる場合は例外的な扱いをしなければならないなどの欠点はありますが、ほとんどの標準的な状況の下では、これ一つでも十分役に立つでしょう。
もう一つ、理解しておくと役立つのがポートフォリオ理論です。
ものすごく簡単に説明すると複数の投資先を作ることでリスク分散をはかるという考え方です。
ポートフォリオ形成に伴う計算方法は本書に預けますが、資産を投じる際には生じうるリスクがを許容範囲内に収めるようにすることで最悪のケースに陥ったとしも壊滅的なダメージを防ぐことができるということがきちんと理解できます。
これは金融面だけでなく、自分自身に投資をする際にも活用できる考え方ですね。
時間、お金、交友関係など自身の資産をどのように分散させるのかという考え方を持っておくと、感情だけに振り回されて失敗するリスクは大きく減るのではないかと思いました。
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数学の強い世界
数学がその強みを発揮するのはたくさんのデータが集まる環境です。
つまりネット上において、数学は強みを存分に発揮していると言えるのです。
金融業界を見ると、近年では先物取引や高頻度取引などによって市場のあり方そのものの変化が加速し続けています。
仮想通貨やブロックチェーンに新たな参入者が増え続けている流れも加速しています。
今後は「次世代にブレイクするテクノロジー」を探り続けることが、金融面での成功者になる道であるように感じられます。
数字は客観性を担保してくれます。少なくとも人が行うパターン認識や感情を伴った直感よりはずっと説得力の高い武器となります。
本来は関係のない独立した事象同士に関連性を見出すのを避けたり、データ分析の客観性を高め思い込みにまみれた判断を減らしたりするのに役立ちます。
一方で、数学はその膨大なデータから人の行動パターンを徹底的に分析し、人々に行動を促すことも可能です。
大企業の持ちうる圧倒的な量の顧客のデータは、プログラムを支えるアルゴリズムを生み出し、私たちに常に脳が求める最適解を与え続けます。
もし、あなたが自身の行動を制御できていないと感じるなら、データの海に潜るのを完全にやめてしまうことが最善の選択でしょう。
解析され尽くした(そして今この瞬間も解析され続けている)私達の行動パターンは、それを企業が最大限活用できるように利用されているという側面があるのです。
もっとも企業の取り組み自体はその多くが「人の幸福実現」を目指して行われているのですから、必ずしもそれらが悪いものだというわけではありません、
大切なのは、あなたのとった行動が本当に自分自身で考えて決めたことなのかという点です。
数学な客観性を担保してくれますが、その説得力の高さ故、データに触れるだけでは私達の思考力・判断力を奪っているとも言えます。
ネットを介して得た情報は、一次情報ではなく何らかのフィルターがかかっているということは忘れずにいたいものです。
パレートの法則・応用篇
人生の多くの物事はインプットの20%が結果の80%を生み出しているという考え方。
この考え方はさまざまな場面で応用が効きます。
企業であれば、20%の従業員が生産性の80%を生み出していて、顧客の20%が収益の80%をもたらしているのです。
これは時間や行動を管理する際に非常に役立ちます。
自分自身の行動を見返して、全体の成果をもたらしている20%の行動に注力するようにしましょう。
さらにその20%の行動の中からそのうちの20%を絞り込んでいきます。
このプロセスを繰り返すことで、本当に集中すべき投資先がはっきりと見えてくるのです。
ここであなたの幸福度を高めてくれる20%の行動に注目してみましょう。
あなたの人生にとって本当に必要なものを絞り込む方法として使ってみてはいかがでしょうか?
生産性とは何も定量化可能なものに限定する必要はないのです。
数学的思考力が自分の人生で最も幸福をもたらすものを照らす手助けをしてくれることでしょう。
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まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
お金儲けに使える数学的思考力がたくさん紹介されている本書。
先人たちが積み上げてきた仮設・検証のサイクルの最先端に私達は立っています。
これらは金融業に携わる人達ならば日々当たり前に接している考え方かもしれませんが、その他大勢の人間にとっては新鮮な考え方となるでしょう。
積極的にお金儲けに走るのであれば、やはり勉強は不可欠です。
多くの人が学ばないことを学ぶからこそ、それが人との差を生むのです。
人との差がその人自身の価値となります。
自分自身の価値を変動させていくこと、価値を発見・創造し、多くの人に提供できる人間になることが稼ぐことにつながるのだと改めて感じました。
稼ぐという戦場に数学という武器を携えて乗り込んでいく人の一助になる1冊です。
ぜひ手に取ってみてください!
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