こんにちは、よだかです。
今回紹介するのは西任暁子(ニシトアキコ)さんの「ひらがな」で話す技術です。
話し方、説明の仕方、相手に伝える技術、、、。
あなたは、自分の話し方に自信がありますか?
本書は、ラジオDJ・スピーチコンサルタントの著者が、話しを上手に伝えるポイントとそれを支える考え方を伝えてくれる本です。
YouTube等で、西任さんの発信に触れるのもオススメです!
本書の内容の一部を
・聞くときは「ひらがな」
・「丸い言葉」を使おう
・よだか流・深掘り
の3項目でまとめていきます。
聞く時は「ひらがな」
音声を耳で聞くとき、私たちの脳はそれらの音を全て”ひらがな”で認識しています。
当たり前と言えば当たり前なのですが、これを意識して話をしている人はほとんどいません。
伝わりやすい話し方とは、聞き手の頭の中に「わかった!」を生み出す話し方です。
聞き手の頭の中では、
①相手の声(音)を聞く
②聞いた音を脳内で漢字に変換する
③意味を考える
というステップがあります。
①〜③がスムーズに行われて初めて、「わかった!」という状態になるのです。
つまり
①聞きやすく
②漢字に変換するのが簡単で
③意味を考えさせることができる
これらの話し方を集約したものが”ひらがな”で話す”ということなのです。
では、具体的に何に気をつけたら良いのでしょうか?
”ひらがな”で話すには3つのポイントを意識しましょう。
①「丸い言葉」を使う
耳で聞いて分かりやすい言葉を使いましょう。
次のうち、分かりやすいのは表現は、どちらでしょうか?
A:計時、速読、文面
B:時間を計る、はやく読む、書かれたこと
テキストで理解するならば、A。
耳で聞いて理解するならば、B。
きっと多くの人がそのような回答をするのではないでしょうか?
目で見て理解するのと、耳で聞いて理解するのでは、とても大きな違いがあります。
聞き手が意味を理解しやすい表現を使うことが大切です。
著者が紹介しているのは、ジャーナリスト・池上彰さんの話し方。
お手本となる話し方を見つけることも大切ですね!
②句読点をつけて話す
点や丸を意識して間を作って読みましょう相手の脳内では自動的に意味の変換が起こって理解しやすくなります
句読点を入れない言葉は、分かりにくいのです。
てんやまるをいしきしてまをつくってよみましょうあいてののうないではじどうてきにいみのへんかんがおこってりかいしやすくなります
ここで句読点を挟んでみます。
てんやまるをいしきして、「ま」をつくってよみましょう。あいてののうないでは、じどうてきにいみのへんかんがおこって、りかいしやすくなります。
どうですか?少し分かりやすくなりましたね。
句読点を意識して「間」を作って話すことで、相手の理解をグンと楽にすることができるのです。
話す練習をするときには
「、(読点)」は「てん」
「。(句点)」は「まる」
と実際に声に出すのがオススメです。
ぜひ一度、ご自身の声を録音して練習してみてくださいね!
③”言葉の粒”の大きさを変える
言葉の”粒”。
これは、声の大きさを意識するためのマジックフレーズです。
次の「海(うみ)」を声に出して読んでみてください。
うみ
うみ
2番目の「海(うみ)」の方が、より大きな声が出ますね。
声の大きさは、視覚の影響を受けて変化します。
この”粒”の大きさを具体的にイメージすることで、話し方は劇的に変わります。
伝えたい言葉は、目の前にひらがなが飛び出すくらい大きな粒をイメージして話しましょう。
先程の例を使うのなら、こんな感じです。
てんやまるをいしきして、「ま」をつくってよみましょう。
あいてののうないでは、じどうてきにいみのへんかんがおこって、りかいしやすくなります。
これは自分や人の話し方を観察することでも鍛えることができます。
ポイントは2つ。
・「てにをは」が、不必要に大きくなっていないか
・単語の最初の音が小さくなっていないか
また、スピーチ原稿を書くときにも、強調したい部分は大きめの文字で力強く書くのも良いですね。
「丸い言葉」を使おう
「丸い言葉」とは「やまとことば」です。
説明が分かりやすい人の多くは、「古くから使われてきた日本語」=「やまとことば」を使って話しています。
普段何気なく使っている言葉の中にも、分かりにくいものがたくさんあります。
それらの言葉を分かりやすく言い換えるための方法を3つ紹介します。
分解する
漢語は、できるだけ分解していきます。
例
計時します→時間を計ります
価格が高騰している→ものの値段が高く上がっている
意味を説明する
専門用語と言われる言葉の中には、分解できないものもあります。
それらに対しては、意味の説明を付け加えます。
例えば、「聴覚」という言葉は、音を感じる知覚機能のことです。
例
聴覚優位であることを生かして、現在の仕事をしています。
→聴覚、つまり耳で聞く感覚が優れていることを生かして、現在の仕事をしています。
日本語に翻訳する
カタカナやアルファベットで書かれた外来語は、日本語に直しましょう。
例
レバレッジが効く→僅かな力で大きな影響や成果を生み出すことができる
「レバレッジ」とは直訳すると「梃子(てこ)の原理・作用」のこと。
ところが「てこの原理が効く」では、まだ意味がわかりません。
そこで、説明の出番です。
てこの原理の本質は「小さな力で大きなものを動かすこと」です。
ここでようやく
レバレッジが効く→僅かな力で大きな影響や成果を生み出すことができる
と言い換えができます。
日本語をわかりやすい順に並べると
①やまとことば
②漢語
③外来語
となります。
使っている言葉を①やまとことばに近づけていくことを意識することが大切です。
よだか流・深掘り
話すことは気持ち良い
この本を読んでいてグサッときたのは、「話すことは排泄(はいせつ)行為」という部分です。
「排泄(はいせつ)」とは、体の中にあるものを外に出すこと。
つまり、話すとは、思っていることを体の外に出すということなのです。
自分だけが気持ちよくなるような話をしている時、相手は黙って合わせてくれているのです。
話していて自分が気持ちよくなった時ほど、要注意のサイン。
だからこそ、相手のことを考えた話し方が大切になるのです。
自分を分かって欲しい=相手のことを理解する
話をするのは、自分のことを相手に分かって欲しいから。
”聞き手の頭は真っ白なキャンバス”という表現がとても印象深かったです。
話を聞いた相手が、頭の中にどんなことをイメージするのかを意識すると、自然と相手の立場を考えるようになります。
「この話や言葉を聞いた相手は、どんなことを考えるだろうか?どう受け止めるだろうか?」
自分が話す言葉が、相手にどう受け止められるか。
本当のところは、完全には分かりません。
受け取るのは、相手が主体の行いだからです。
けれども、「分かろうとする」ことはできます。
分かろうとする自分が、相手に伝われば、相手も理解しようとする姿勢を見せてくれるかもしれません。
自分を知って欲しければ、まず相手のことを理解しようとする努力は欠かせません。
本心から相手に興味を持つことを習慣化していきたいです。
本とは”著者の人生”
読書は、自分以外の人の人生を追体験させてくれます。
私が読書を好きな理由は、やはりこれに尽きます。
著者の言葉選び、その背景に見え隠れする考え方。
「どんな思いでこの本を書いたのだろうか」と想像させてくれる本が大好きです。
タイトルには「技術」とありますが、それを支える「考え方・思考」がしっかりと伝わってきます。
良質な本は、著者の人生が色濃く詰まっていて、何度も読み返したくなります。
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
言いたいことを相手に伝える技術は、とても大切です。
伝えるためには、相手目線を持つこと。
相手に伝わることを徹底的に考え抜いたことで、「ひらがな」で話すことにたどり着いた著者。
この本を読むと、相手への愛が伝えることの原動力になるのだと実感できます。
特に、第5章「話し方」が変わると人生が変わるは、読み応え抜群です!
本記事でまとめた内容は、本書のごく一部です。
効果的な「間(ま)」の使い方や心に響く「声」などについても書かれています。
話すこと・伝えることの楽しさを教えてくれる素敵な1冊!
ぜひ手に取って読んでみてください!