どうも、よだかです。
今回紹介するのは、劉 慈欣(りゅう じきん)著・「三体」です。
長編SF3部作の1作目となる本書。
現代風SFの決定版!
これほど緊張感高くストーリーを楽しませてくれる作品は久しぶりでした。
残りの2巻分もすぐさま読みたくなる内容です。
ネタバレを極力抑えて、作品の魅力をお伝えします。
この本をお勧めできる人
・長編のSFを読んでみたい
・科学的な視点で紡がれるストーリーが好き
・複雑な謎解きを楽しみたい
あらすじ
主人公、王淼(ワン・ミャオ おう・びょう)は科学者。
研究所の主任研究員でナノマテリアルという素材の応用研究に携わっています。
ある日、不可解な現象に巻き込まれ、その解決策を求めて奔走することに、、、。
その解決策がVRゲーム「三体」にあることを知った彼は、ゲームをプレイすることになります。
ゲーム用のスーツを着て、早速ログインする王。
彼の降り立った「三体」の世界は、太陽に照らされる「恒期」と極寒の「乱期」が不定期に入れ替わる世界でした。
「三体」世界では、その気候の不安定さゆえに、これまでに100を超える文明が滅んできたという歴史がありました。
王(ワン)も、その解明に乗り出し「三体」世界の謎に迫っていくことになるのですが、その裏には想像もつかないような秘密が隠されていたのです。
魅力①徹底した科学的トリック
物語の各所で科学的な視点での考察が挟まり、それがとても面白い!
「読者を喰らい付かせる科学的な難しさ」があります。
この手の作品は、専門用語が難しくなりすぎて、読者を置いてけぼりにするか簡単すぎて読者が離れるかのどちらかになることがままありますが、この作品はそのバランスが本当に絶妙です!
確かに簡単な理論は出てこないのですが、しっかり読み込んで理解したくなる程度の難しさなのです。
完全に理解ができなくてもストーリー自体は充分楽しめます。
「ふーん、こういう理論もあるんだな」くらいの理解でも、物語の大筋は理解できます。
私は読み終えた後、物語に出てきた理論などの解説を調べてみました。
作品世界の理解が深まって、2度美味しかったです!
魅力②VRゲーム「三体」の面白さ
VRゲームを題材にしているところも面白い!
我々と同じ時代を生きる人間を異世界で活躍させる仕掛けとして、VRゲームを持ってくるという発想が素晴らしい!
「三体」の世界は、地球ではないどこかの星という仮想空間。
ゲームをプレイするには、全身を覆うスーツを着て「三体」世界にログイン。
温暖な「恒期」と極寒の「乱期」が不定期に入れ替わる世界の謎を解いていくというのがゲームの目的です。
その秘密に迫っていく展開がこれまたアツい!
「三体」世界の設定も緻密に作り込まれていて、あたかも現実の世界のようです。
VRゲームに自分が設定したアバターで参加するのは、映画「レディ プレイヤー ワン」を彷彿とさせる展開でした。(内容はまるで違いますが)
現実世界を生きる私たちにも同じことが起こるのではないかとハラハラしてしまいます。
現に昨今はメタバースやNFTなどに代表されるサイバースペース系のワードがトレンドに上がっています。
「三体」のようなVRゲームをプレイしてみたくなります。
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魅力③秀逸なストーリー展開
謎が一つ解けると、また新たな謎が出てきて、その謎が解けると次なる謎が出てくる、、、。
しかも、それに伴ってストーリーが加速していきます。
「え?次はどうなるの?」と気になってしまう展開の連続!
これほど巧みに”謎”を配置して、しかもそれが解けた時の気持ち良さを味わえる作品はなかなかありません。
特に「三体」世界のからくりが分かった時のシーンは本当に驚きました。
ゲームという言葉では済まされない真実には、度肝を抜かれます。
また、王以外の登場人物の描写も丁寧で、特に好きだったのが刑事の史強(シー・チァン)。
登場時こそ印象最悪の彼ですが、物語が進むにつれて段々と頼り甲斐のある部分が見えてくるのが良かったです。
彼のバックグラウンドや過去の話が2巻以降で明らかになると嬉しいです。
「三体」を取り巻く様々な人物が織りなすストーリーに最後まで惹きつけられっぱなしでした!
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
長編本格SFの「三体」。
科学トリック、VRゲーム、秀逸なストーリー展開で圧倒してくる素晴らしい作品です。
全3部作が揃ったタイミングで購入できて本当にラッキーでした。
もしリアルタイムで買っていたら、次巻の出版を待ちきれなくてソワソワしていたと思います。
残りの2巻も早速購入しました。
おすすめの本ですので、ぜひ読んでみてください!