どうも、よだかです。
今回は「利己的な遺伝子」やさしく解説の第9回。
生物観を大きく揺るがすベストセラーの本書。
第9章のテーマは「雄と雌の争い」。
生物における性。
そもそも、何故、雄と雌が存在するのか?
雄・雌の定義とは?
雄と雌の取るべき最善の戦略とはなんなのか?
第9章では、これらの疑問に答えていきます。
結論から言うと「乱婚戦略の雄VS配偶者選びに慎重な雌」という構図が本質です。
”利己的”に振る舞う遺伝子の生存戦略が、性の違いをどう乗りこなしているのか?
その秘密を紐解いていきましょう!
この本・本記事を読んで欲しい人
・利己的な遺伝子を読んでみたい
・生物の起源を知りたい
・進化の本質を理解したい
雄と雌の定義
あなたは雄と雌の区別を説明できますか?
生物学上、その違いは”配偶子の大きさ”で説明されます。
動物も植物も、その配偶子(性細胞)を観察すると、雌は雄よりも大型の配偶子(性細胞)を持っています。
雌:大型の配偶子
雌の配偶子は、雄のそれと比べて大型であることが特徴です。
また、運動機能を持ちません。
それ単体が大きく、安定してその場に止まります。
雄の配偶子に比べて、数も少なく、一配偶子に大きなリソースが割かれることになることも忘れてはいけません。
一度に作れる子供の数にも限度があり、限られた数の個体を大切に育てる必要があります。
雌の戦略は、極めて実直なものと言えますね。
雄:小型で多量の配偶子
雄の配偶子は、雌のそれと比べると遥かに小さいことが特徴です。
運動機能を持つものが一般的。
これは、いち早く雌の配偶子にたどり着くためです。
また、雌の配偶子に比べて、大量に生産しやすいもの特徴の一つ。
これは、そのまま一度に作れる子供の数の多さに比例します。
つまり、雄は雌の配偶子を搾取するポジションにあり、ギャンブラー的な戦略を内包しているとも言えます。
雄と雌の起こり
そもそも、雄と雌の違いはどこから発生したでしょうか?
おそらく、原初の海の中で、”大型の安定した遺伝子”が生まれたことが発端です。
初めに雌ありき
大型で安定していたそれは、他の遺伝子と比べて資源を獲得しやすかったと考えられます。
しかし、その海の中に”小型だが運動機能の高い遺伝子”が生まれました。
それは、運動機能が高いことを活かして、大型の遺伝子と結合するチャンスを得ました。
つまり、より優秀な生き残りやすい遺伝子と結合するチャンスを得たのです。
実直な戦略を持つ大型の遺伝子は”雌”。
搾取的な戦略を持つ小型の遺伝子は”雄”。
両者の違いはここで生まれたのです。
それぞれの戦略
雄も雌も、遺伝子をつなぐためには優秀な子供を残すことと相手側を上手く利用することが求められます。
残酷なようですが、いかに相手にリソースを割かせて、自分なリソースを割かずに済むかが重要なのです。
雄からすると、できるだけ多くの雌に子供を育てさせたい。
雌からすると、できるだけ優秀な遺伝子を獲得したい。
両者に共通するのは、いかに上手に相手を捨てるかという点。
それぞれの起こりを考察すると、生物としての雄・雌それぞれの最適な戦略とそのバランスが見えてきます。
雄は、そもそも「乱婚傾向」で「子供やパートナーを保護することへの欠如が見られる」もの。
それに対抗するべく、雌には「家族第一の雄を選ぶ」か「たくましい雄を選ぶ」かの2択の戦略を取る必要が生じます。
遺伝子を後世につなぐ最適解
雄と雌には、それぞれ2つの戦略があります。
雄の戦略
・誠実型:長期間の求愛行動を行い、限られた個体の雌にリソースを投下する
・浮気型:求愛に応じてもらえなければ、即座に他の雌に乗り換える
雌の戦略
・恥じらい型:気難しくはにかみがちな雌を装い、誠実な雄を見極める
・尻軽型:直ちに後尾に応じて、子孫を残すことを優先する
同集団の中でこれらの最適な比率があります。
それは、誠実型が8分の5、恥じらい型が6分の5の割合になること。
一方の戦略をとる個体が増えると、もう一方の戦略をとる個体が有利になるように自然淘汰が働きます。
両方の戦略が遺伝子にとってもっともバランスの取れた地点を示しているという点は、興味深いですね。
一個体の過ごし方として、このバランスを意識しておきたいものです。
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
本章では、「雄と雌の定義」「それぞれの取りうる戦略」についてまとめました。
どちらか一方の極端な戦略だけでなく、状況に応じてバランスよく使い分ける比率があるということが最も興味深い点でしたね。
生命の起源を紐解くと、長い歴史の中で、最も相応しいバランスがあることに気付けますね。
次回、第10章のテーマは「互恵的利他主義」。
「群れで暮らす動物のメリット」についてまとめていきます。
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