こんにちは、よだかです。
黒田悠介さんの「ライフピボット 縦横無尽に未来を描く 人生100年時代の転身術」を読み終えたので、内容・感想をまとめていきます。
本書が提案するのは新時代のキャリア観です。
今のキャリアに不満がある人やより望ましいキャリアへの転換を目指す方には特に読んで欲しい本です!
著者の黒田悠介さんは、東京大学文学部心理学→ベンチャー社員×2→起業(売却)→キャリアコンサルタント→フリーランス研究家→ディスカッションパートナー→コミュニティ主宰、というキャリアを何と僅か13年間の間に成し遂げてしまった方です。まさにこの本のタイトルである「ライフピボット」を体現した生き方をしています!黒田悠介公式サイト
様々なキャリアを渡り歩きながら、現在もその歩みを止めることのない著者が提案する「ライフピボット」というコンセプトとは?
そして新時代を乗り切るために必要な経験と行動とは?
本書の内容で特に面白かった前半部分を「私たちの生きる時代」「ライフピボットとは?」「偶然を味方につけるには?」「3つの蓄積」の4項目にまとめました。
それでは早速紹介していきましょう!
私たちの生きる時代
突然ですが、以下のデータは何を示したものか分かりますか?
飛行機68年、自動車62年、電話50年、クレジットカード28年、テレビ22年、ATM18年、コンピュータ14年、携帯電話12年、インターネット7年、iPod4年、YouTube4年、Facebook3年、Twitter2年、ポケモンGo19日
答えは、、、
「5000万人ユーザーの獲得までにかかった時間」です。
これを見ると、私たちの生活を変えた科学技術の進歩がそれほど凄まじいスピードで起こっているのかが分かりますね。
携帯電話やインターネットの普及がポケモンGo!を急速に広げる土台となりました。
技術革新が次なる技術革新を生み出す連鎖反応、、、。
イノベーションの連鎖が変化を加速させる一因となっていて、この傾向は今後も続く可能性が高いと考えられています。
それに伴い、私たちのライフスタイルも物凄いスピードで変化し続けています。
そんな時代を生き抜くために、私たちはどんなキャリア観を持てば良いのでしょうか?
「人生100年時代」の到来が目前に迫った現代。
当然、私たちの働く年月もそれに伴ってこれまで以上に長くなります。
つまり、より長く生き、より長く働くようになるのです。
大きな変化に常にさらされる現代、終身雇用が当たり前ではなくなり、企業の平均寿命はどんどん短くなってきています。
企業の短命化は、個人にも大きな影響を与えます。
世の中の変化に応じて、自身のキャリアを柔軟に変化させ続ける人が成功しやすい時代になりました。
企業の短命化は、個人のライフスタイルを短期化させたのです。
ここまでをまとめると、私たちが生きる時代の特徴は以下の3点です。
①生きる時間が長くなる
②ライフスタイルが短期化している
③加速する様々な変化に見舞われる
このような状況では、どんな変化にも柔軟に対応できる「準備」を進めておく方が良いのです。
【未来をつくる全ての大人へ!】学びと生き方を統合する Society5.0の教育【柳沼 良太】
ライフピボットとは?
ライフピボットとは「経験の蓄積と偶然によってキャリアの転換を実現させること」です。
「蓄積×偶然=転換」です。
目の前の仕事に真剣に取り組むことで蓄積したことが他のことに繋がっていきます。。
イメージして欲しいのは、蜂の巣などにみられる正6角形が連なるハニカム構造です。
①まず、一つのことに集中して自身の軸・土台を作るor自覚する。
②軸足を残しつつ隣接する分野を学ぶ。
③力を磨き、そこから隣接するキャリアをさらに広げていく。
④広げたキャリアの中を縦横無尽に行き来しながら、さらにキャリアを広げていく。
例えば以下のような流れが考えられます。
①文章を書くのが得意になるor得意・好きであると知る。
②ウェブライターとして働き、一定量の売り上げを生み出せるようになる。
③ライター養成講座を企画してウェブライティング指導者としてのスキルを身につけたり、売り上げを生み出すマーケティングの手法を伝えるコンサルタントとしてのスキルを磨いたりして、関連するキャリアの力を磨く。
④ウェブライター、ウェブライティングコーチ、コンサルタントなどのスキルを必要に応じて使い分け、自身のキャリアをさらに開発していく。
重要なのは、キャリアを転換する部分です。
この転換は偶然引き起こされるのです。(スタンフォード大学が1999年に提唱したキャリア論の「計画的偶然性理論」によると「個人のキャリアの8割は予想もしない偶然によって決定される」とのこと)
「せっかく経験を積んでも、結局は8割の偶然に頼らないとダメなのか!?頑張っても無駄じゃん!」
と思ったそこのあなた!落ち込むのはまだ早いですよ!
ここからさらに深掘りして、経験と偶然をコントロール可能な領域に落とし込んでいきます。
偶然を味方につけるには?
実は、偶然とは計画的に味方につけることができるのです。(それ故に「計画的偶然理論」と名付けられているのですね!)
偶然はポジティブに働くこともネガティブに働くこともあります。それ自体はコントロールできません。
しかし、あなたの選択する行動次第で、ポジティブに作用しそうな偶然を起きやすくすることは可能です。
ポジティブな偶然が起きやすくなる5つの行動特性
①好奇心
不慣れな場や新しい機会に対して好奇心を持って参加してみましょう。
いつもと同じ環境で過ごしていてはポジティブな偶然は起きにくいものです。
②持続性
一定期間どっぷり浸かってみましょう。
その分野の面白さが分かったり、一定のスキルが身についたり、人との繋がりができたりします。
③楽観性
「なんとかなるだろう」と前向きに構えましょう。
新しい変化を歓迎できるようになったり、避けられない変化を楽しめるようになったりします。
④柔軟性
一度始めたらやり抜くべきだという考えは手放してしまいましょう。
一つのことに拘り続けることは視野を狭め、目の前の変化や機会を失うことにつながります。
⑤冒険心
予測不可能な状況で取れる範囲のリスクをとってチャレンジしましょう。
完全なる安全圏の中で過ごしているだけでは、大きな失敗はしないかもしれませんが、大きな成功もあり得ません。
そもそも今いる場所も永遠に安全である保証はどこにもないのです。
チャンスを掴みやすくなる行動というものは間違いなく存在しますし、その機会を生み出せるかどうかは、あなた自身の行動の質にかかっているのです。
【神メンタルの正体は〇〇!】神メンタル「心が強い人」の人生は思い通り【星 渉】
3つの蓄積
それでは、ここからは蓄積を紐解いていきましょう。
ライフピボットに必要な蓄積は以下の3つあります。
①価値を提供できるスキルセット ②広く多様な人的ネットワーク ③経験によるリアルな自己理解です。
それぞれ順番に見ていきましょう。
蓄積①「価値を提供できるスキルセット」
価値の提供とは、誰かの役に立つこと。これはさらに3つに分解されます。
テクニカルスキル | 対課題のスキル。業務を遂行する能力。プログラミングやライティング、マーケティングなど実務面で役立つスキル。スキルという言葉を聞くと一般的にイメージされるものの多くがテクニカルスキルに含まれる。 | 日常の業務を記録し、定期的に振り返ることで、自身の持つテクニカルスキルを認識することができる。 |
ヒューマンスキル | 対人のスキル。仕事で接する他者と良い関係性を作ったり、スムーズにコミュニケーションを行ったりする能力。傾聴・交渉・集団の統率・説得などによって人のパフォーマンスを引き上げるスキルがこれにあたる。 | 人とやりとりをする場面で、他人と比べてそこまで労力をかけることなくできることを分析することで認識することができる。 |
コンセプチュアルスキル | 物事を概念化するスキル。思考の根幹。他のスキルを支える。他のスキルと同時に発揮されることが多いため、見つけるのが難しいスキル。例えば、ライティングというテクニカルスキルと同時に発揮されているのはロジカルシンキングというコンセプチュアルスキルである。 | コンセプチュアルスキル単体では認識されにくい。テクニカルスキル・ヒューマンスキルを認識する過程で明らかになってくる。 |
3つのスキルを認識するための質問
これらの質問を定期的に自分に問いかけることで、自身のスキルセットを認識することができます。
Q.1「何に時間を使っていたか? その時に何を考えていたか?」
Q.2「何をした時に感謝されたか? なぜ感謝されたか?」
Q.3「他の人に比べて苦もなくできることは何か?」
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蓄積②「広く多様な人的ネットワーク」
新しい情報や機会をもたらしてくれる人的ネットワーク。
人的ネットワークが広く多様なほど、あなたの掴めるチャンスは増えます。
単に知り合いであるということではなく「価値提供をし合える関係性」であることが大切です。
その土台となるのが「信用」と「信頼」を区別して考えることです。
信用 | 単方向で客観的な評価 | 価値を継続的に提供することで貯まる。まず自分からGIVEすることで、「返報性の原理」が働き、相手からも情報や機会を提供してもらえるようになる。 |
信頼 | 双方向で主観的な関係 | 共同作業によって築かれる。一緒に食事をしたり、同じプロジェクトに参加したりすることで高まる。 |
価値提供によって信用情報を貯め、共同作業によって信頼関係を築く流れを意識しましょう。
蓄積③「経験によるリアルな自己理解」
自分の思考や価値観を知ること。
自己理解を深めるには、経験による感情と思考の動きを観察することが有効です。
「なぜ自分はこんな感情を抱いているのか?」
様々な出来事に対して沸き起こる感情を観察してみましょう。
これらを蓄積していくと、喜びを感じるときの共通点や辛さを感じる時の共通点が見えてきます。
この共通点が、あなたの嗜好(好き嫌い)です。
自分のなかで意味があると思えることと意味がないと思えることを分別していくことで、自分の価値観が明確になっていきます。
これが、夢中になって取り組めることを見つける道のりになるのです。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
本書の後半からは、これら3つの蓄積を築き上げるための6つのアクションプランが詳しく紹介されています。
自身のキャリアを考える際に大変役立つ内容で、読んだその日から取り組んでみたくなるものばかりでした!
長い人生を充実感を持って生きていくために、仕事は切り離せないものです。
仕事とどう向き合うのかというマインドとそのマインドを作り上げていくアクションの両方を学べる素晴らしい1冊。
自身のキャリア観をアップデートしたい方には是非とも手に取っていただきたいです。