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【12分間の愛】つみきのいえ【映画レビュー】

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どうも、よだかです。

あなたは、ショートムービーは好きですか?

短い時間でぎゅっと感動体験を得られる最たるものの一つがショートムービーです。

今回紹介する「つみきのいえ」は、わずか12分間の作品でありながら、深い感動体験を得られる素敵な作品です。

アマゾンプライムにておすすめに出てきたので、軽い気持ちで観てみたのですが、良い意味で裏切られました!

この映画、登場人物は、一言も喋りません。

全てのシーンが、その行動によってのみ描かれます。

だからこそ、観る側はストーリーに引き込まれていくのです。

本作品の魅力をぎゅっとまとめて紹介します!

↓アマゾンプライムで観れます。

この映画を見て欲しい人

・素朴なアニメーションが好き

・短い時間で感動体験をしたい

・日常の大切さを見つめ直したい

ストーリー

主人公は、家に1人で住む老人男性。

身の回りのことは全て1人で済ませていて、健康面は問題なし。

彼の暮らす家は、最上階以外が水没しています。

というのも、この世界そのものが何らかの原因で水位が上がっていて、他の人々も同じような生活を送っている様子。

海原に転々と、最上階だけ除く家々が見られます。

老人は、釣りをしたり、時たま訪れる行商人などから必要なものを買ったりして生活しています。

世界の水位は徐々に上がってきているようで、床上浸水が進むと、行商人からレンガを買って、最上階を更新。

家具を移して、住む階を変えていて、そんな生活を何年も送っています。

そんなある日、お気に入りのキセルを水の底に落としてしまい、それを取りにいくために潜水服を購入。

かつて潜ったことのない水の中に飛び込んだ彼が見つけたものとは、、、?

魅力

素朴な映像

細かく書き込まれたリアルな絵ではありません。

丸みのある素朴なラインで描かれるキャラクターとそれを取り巻く世界観。

使われている色も優しい色が中心です。

そのため、作品世界が温かさに包まれています。

独特な手法によって、色が揺らいでいるため、素朴なテイストが漂い、それがなんとも言えず心地よい映像を生み出しているのです。

表情・仕草

老人の表情や仕草に愛着が湧きます。

のんびりとレンガを積んだり、釣りをしたり、釣った魚を料理して食事を楽しんだり、、、。

実は、老人には先だった妻がいます。

彼の部屋には、妻と娘と彼女の夫の写真が飾られていて、彼が家族をとても大切にしていたことが分かります。

彼が落としたキセルは、家族との思い出を象徴する非常に大事な品だったため、潜水服を買ってまで探しに行くことにしたのです。

一見気難しそうに見える老人の行動ひとつひとつの裏側に、きちんと行動理由があって、そのほとんどが家族への愛から来ていることが感じられます。

リアルな音楽

音楽がとても良かったです。

自然音がたくさん使われていて、物語への没入感を高めてくれます。

特に波の音と風の音が絶妙なバランスで取り入れられていて、こんな世界がいつか本当に訪れるのではないかと感じたり、今まさにその世界に住んでいるかのようなリアルさを感じました。

また、老人が水に潜るパートでは、水の中の音を非常にうまく再現しています。

水の中に入ると音がくぐもって聴こえるので、潜水シーンは常に静けさの中。

けれども、その静けさがあるからこそ、水の中で我が家の階下へ進む老人が思い出す彼の過去をじんわりと味わうことができるのです。

本当に大切なものを教えてくれる

階下へ降る老人が、その過去を少しずつ振り返る構成になっています。

愛する妻との死別。

娘とその結婚相手。

妻と小さな娘と3人で仲睦まじく暮らしていた頃のこと。

若きに出会った妻との馴れ初め。

徐々に思い出されていく老人の過去を緩やかに追体験することで、家族の大切さを深く考えさせられました。

登場人物たちが一切喋らず、その仕草や表情だけが物語の内容を読み取るカギになっています。

セリフが一切ないことで、観る人それぞれに物語の内容や人物の心を推測する自由がもたらされます。

観る人が、それぞれの解釈を大切にする余地が残されている作品でもあると感じました。

まとめ

最後まで読んでくださってありがとうございます。

本作品は、12分間で静かな温かい感動を届けてくれます。

素朴な絵と人物の表情・仕草、そして選び抜かれた音楽が繋がりあって素晴らしい仕上がりになっています。

短い時間で、質の高い感動体験を味わい方は、ぜひ一度観てみてください。

きっと、これまで以上に家族を大切にできるようになるはずです!

↓アマゾンプライムビデオで観れます。

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