こんにちは、ぼっちbotterよだかです。
9月も終わるので、恒例の振り返りを書いていきます。
今回は第三四半期の終わりでもあるので、9月単月だけでなく、7〜9月の3か月もまとめて振り返ります。
9月も相変わらず、DeFiを調べて、エッジ候補を掘って、ダメなら切って、、、。
空いた時間は、別で進めているWeb事業の商品を作っていました。
やっていることだけ並べると、8月とそこまで大きく変わっていません。
ただ、仕事の進め方はかなり変わりました。
特に大きかったのが、AIとの分業です。
AIに任せる仕事が増えた、というだけではありません。
むしろAIに任せられる仕事が増えたことで、
人間側は何を決めなければならないのか。
ここが以前よりもはっきりしてきました。
今回は、このあたりを中心に振り返ります。
1.9月は「探索方法を普通にする月」だった
8月の終わりに、9月は新しいことをどんどん増やすというより、
今使っているエッジ探索のやり方を、普通に回せる状態にする。
くらいの目標を置いていました。
ここ数か月で、市場を調べる能力そのものはかなり上がりました。
CEX、DEX、レンディング、清算、オラクル、ブリッジ、ステーブルコインなど、以前なら一つ調べるだけでもかなり時間がかかっていたものを、AIを使いながら比較的短い時間で追えるようになっています。
一方で、調べられるものが増えるほど別の問題も出てきました。
全部を調べていたら終わりません。
そのため、最近は研究を始めるときに、
- 何を確認したいのか
- 今の未解決問いは何か
- 一番安く仮説を切れる検証は何か
- その結果で何の判断が変わるのか
を以前よりも意識するようになりました。
9月は、この進め方をかなり繰り返しました。
GHO、crvUSD PegKeeper、Sky USDS LitePSM、清算、償還状態の変化、perp市場のストレスなど、対象自体はかなりバラバラです。
ただ、研究の進め方は以前より共通化されています。
まず広く見る。
次に、仕組みが本当にあるかを確認する。
その後、安い検証で残すか切るかを決める。
進める場合も、一度に全部を調べず、次に判断を変える問いを一つずつ潰していく。
この形は、かなり馴染んできました。
2.「見えるけど取れない」から「取れそうでも取らない」へ
8月頃から、
市場現象として見えること
と
自分がbotで取れること
を分けるようになりました。
9月は、そこからさらに一段進んだと思います。
たとえばGHOの裁定候補では、最初は有効な歪みがほとんど見つかりませんでした。
ところが観測粒度を細かくして調べ直すと、短時間だけ利益が残る状態が見つかりました。
実際のオンチェーン取引を調べると、その経路を利用して裁定している取引もありました。
さらに、確定済みの公開状態からでも利益を取れるケースがあり、
見える。
取れそう。
というところまでは進みました。
それでも、専用botは作りませんでした。
利益額、頻度、監視コスト、競争環境まで含めると、現時点で追加の開発時間を使う理由が弱かったからです。
このあたりは、Crypto×Create側で別記事にしています。
関連記事:🛠️開発記録#575「見えた、取れそう、それでも取らない|GHO裁定を実装しなかった理由」
以前なら、
エッジがある
→ botを作る
までかなり直線的に考えていた気がします。
今は、
エッジがある
→ 自分でも取得できそう
→ 全コストを考えても残る
→ 競争環境を考えても現実的
→ そのうえで、ここへ時間を使う価値があるか
というところまで分けて考えるようになりました。
これは地味ですが、結構大きな変化です。
「見つからなかったからやらない」だけではなく、
見つかったけれど、今はやらない。
という判断ができるようになってきました。
もちろん、これは利益化できたという意味ではありません。
むしろ現在も、実際に継続して取れるエッジを見つけ、実装し、評価するところが一番難しい部分として残っています。
3.AIとの分業は「任せる範囲」より「判断根拠の照合」が重要だった
第三四半期を振り返って、一番大きかった変化の一つがAIの使い方です。
AIは速いです。
資料を探す。
比較する。
コードを書く。
データを処理する。
オンチェーンのtransactionを確認する。
複数の候補を同じ観点で整理する。
以前なら自分一人で数日かかっていた作業が、数時間で進むことも珍しくなくなりました。
精度も、多くの場合かなり高いです。
一方で、人間側で確認しないと普通にガバがあります。
ただ、最近はこれを単純に、
AIが間違えた。
とは考えなくなりました。
結果を見ていると、
ああ、この条件を書かなかったから、こう解釈したのか。
とか、
参照範囲を指定していなかったから、別のデータを勝手に補助材料にしたのか。
とか、
ここで止まる条件を与えていないから、そのまま次の調査まで進んだのか。
ということがかなりあります。
要するに、AI側の問題に見えて、実は人間側の問題設定や制約が甘かったというケースも多いです。
そこで最近は、AIが出した結果だけを見るのではなく、
AIがなぜその判断をしたのか。
を、人間側の判断根拠と照らし合わせるようになりました。
自分はこの情報を重く見た。
AIは別の情報を重く見た。
では、なぜ違ったのか。
使ってよい情報の範囲が違ったのか。
仮説の適用範囲が曖昧だったのか。
評価基準が共有できていなかったのか。
こういう確認を一度挟む。
すると、単にAIの答えを修正するだけではなく、
次からどう指示すれば同じズレを防げるか。
まで戻れます。
最近は、
- 参照するものを限定する
- future informationを使わせない
- この条件を満たしたら一度止める
- 追加作業を勝手に始めない
- 今回判断したい問い以外は保留する
といった制約を、以前より明示するようになりました。
これはbot研究だけではありません。
商品作りでも、ニュースから研究テーマを探すときでも、市場仮説を壁打ちするときでも、同じことが起きます。
AIは空白があれば、かなり自然な形で埋めてくれます。
ただ、その自然さが自分の目的に合っているとは限りません。
4.一次スクリーニングはAI、その先は人間と一緒に絞る
一方で、最初からAIを細かく縛りすぎる必要もないと思っています。
一次スクリーニングは、かなり広くAIに任せていい。
たとえば、
- この市場構造からどんなエッジ候補が考えられるか
- 過去に似た事例はあるか
- 今週のクリプトニュースから研究候補になるテーマはあるか
- この商品の競合には何があるか
- 既存記事と商品導線のどこが不足しているか
といったものです。
こういう作業は、人間が一件ずつ調べるよりAIの方が圧倒的に速いです。
ただし、そこで出てくるものは、
一般論としてはかなり綺麗。
という状態になりやすい。
綺麗なのですが、
では、この中で今回本当に重要なのはどれなのか。
は別問題です。
そこから先は、人間とAIで一緒に絞り込むことが増えました。
「これは見た目が似ているだけで、因果関係が違うのでは?」
「この仮説を成立させるために、本当に必要な条件は何?」
「次に一つだけ確認するならどれ?」
「これが分かっても判断は変わらないのでは?」
といった問いを挟んでいきます。
9月後半には、エッジ探索でもこの方法をかなり意識的に使いました。
候補を広く集め、一度に全部を深掘りするのではなく、仕組みごとに分け、安い検証で削り、次に判断を変える一問まで圧縮する方法です。
関連記事:🛠️開発記録#577「AIでエッジ探索を高速化する|候補を広げて、安い検証で削る方法」
最近の役割分担をかなり大雑把に書くと、
ChatGPTなどの対話AI
仮説の壁打ち、候補比較、問いの整理、判断材料の整理Codex
データ取得、実装、再現、検証、監査自分
問題設定、制約、優先順位、結果の解釈、最終判断
くらいになっています。
もちろん完全には分離できません。
ChatGPTにも調査をさせますし、Codex側で判断が必要になることもあります。
ただ、
思考を整理する場所
と
実際に手を動かす場所
を意識して分けるだけでも、かなり扱いやすくなりました。
5.第三四半期を振り返ると「道を作る→選ぶ→判断する」だった
ここで7〜9月をまとめて振り返ります。
第三四半期の最初に置いていた目標の一つは、
収益ラインを2本作る。
でした。
これは達成していません。
botでも、Web事業でも、収益化を安定させたとはまだ言えません。
なので、ここを成果として言い換えるつもりはありません。
一方で、この3か月で仕事の仕方はかなり変わりました。
7月:未知の領域へ道を作る
7月は、知らない領域をかなり広く触っていました。
CEX、DeFi、市場データ、清算、Web事業など、それまで曖昧だったものを一つずつ具体化していました。
この時期は、
分からないものを分かる状態にする。
こと自体にかなり価値がありました。
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ぼっちbotterのログ:2026年7月【16ヶ月目】未知の領域に道を通しながら、下振れを防ぐ
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8月:どの道を進むか選ぶ
調べられるものが増えると、今度は全部やれないことが問題になりました。
そこで、
見えるか?
取れるか?
を分けるようになりました。
市場現象として存在していても、個人botterが利益として取れるとは限りません。
観測できても、実行できない。
実行できても、コストを引くと残らない。
取れるとしても、競争が強すぎる。
この区別をかなり意識するようになりました。
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ぼっちbotterのログ:2026年8月【17ヶ月目】botもブログも「ゲーム攻略」に似ている
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9月:進む価値まで判断する
9月はさらに、
取れそうなら進む。
でもなくなりました。
「取れそうだが、利益が小さい」
「取れそうだが、監視コストが重い」
「追加研究をすればもっと分かるが、その情報で判断が変わる可能性は低い」
というケースを切るようになりました。
市場横断研究でも、まだ未解決なこと自体はかなり残っています。
ただ、
まだ分からない。
ことと、
次の1日をここに使う価値がある。
ことは別です。
このあたりは、9月中旬に一度整理しました。
関連記事:🛠️開発記録#570「追加研究の限界価値を考える回:市場横断観測機の作成を通して」
清算研究でも同じことがありました。
清算条件やオラクルを詳しく再現する能力はかなり上がりました。
ただし、
「見える」の精度を上げ続けること
と
利益化へ近づくこと
は途中から同じではなくなります。
そこで、「見えるか?」を完成させてから次へ行くのではなく、比較的早い段階から実行可能性や採算性へ接続する見通しも確認する方向へ変えました。
関連記事:🛠️開発記録#572「清算エッジ探索をどうフェーズシフトするか?」
こうして振り返ると、第三四半期は、
7月:道を作る
8月:進む道を選ぶ
9月:その道を進む価値まで判断する
という3か月だったのかもしれません。
そして、その判断を支える道具としてAIの使い方もかなり具体化しました。
Q3の成果を一つ挙げるなら、
AIに仕事を任せる方法ではなく、人間が問い・制約・判断を持ちながら、AIの探索・実行・監査能力を組み合わせる方法が少しずつ分かってきた。
ことだと思います。
6.ブログと生活も「作る」から「運用する」へ
bot以外では、専門性のやや高いジャンルでWeb事業も継続しています。
この3か月で、記事を書くだけではなく、商品、販売ページ、導線まで含めて考えるようになりました。
9月のメインタスクは、商品作りでした。
ただ、試作品を作ってみると、
これ、本当に商品として売るほどの内容になっているか?
という疑問も出てきました。
一見使えそうですが、内容が薄かったり、形式が目的に合っていなかったりするものもあります。
せっかく作ったから完成させる、ではなく、不要なら削る。
競合や既存のツールも見ながら、
実際の現場で何を管理できれば楽になるのか。
などの観点からもう一度組み直しています。
こちらもbot研究と似ていて、
作れること
と
作る価値があること
を分ける必要があります。
第四四半期は、商品数を増やすこと自体よりも、
需要
↓
流入
↓
記事
↓
商品
↓
販売
という経路を見ながら、どこが詰まっているのかをデータで確認できる状態へ持っていきたいです。
生活面はかなり安定した
仕事の時間については、午前中心のルーティンがかなり安定しました。
最近は7時半頃から始めて、12時前後まで集中して作業することが多いです。
主要タスクはここで終える。
午後は基本的に回復へ回す。
この形が今のところかなり合っています。
休憩についても少し傾向が見えてきました。
比較的安定して効くのは、
- 昼寝
- ストレッチ
- 自炊・料理
- 掃除
- ギター
あたりです。
映画や小説も休憩にはなりますが、作品次第でかなり振れます。
ゲームはさらに難しいです。
SEKIROやSlay the Spireのようなゲームをやっていると、普通に問題解決をしています。
難しすぎると休憩になりません。
一方で、簡単すぎて何も考えないゲームを続けても、必ずしも回復した感じがするわけではありません。
なので、
最高の休憩方法を探す。
みたいなことは、あまりしない方が良さそうです。
休憩を改善するために新しい研究テーマを増やしたら本末転倒です。
今のところは、
疲れたら、これまで効いたものを適当に使う。
仕事から一度切る。
くらいで十分だと思っています。
最近やっていない瞑想も、頭の回転を一度止める用途なら少し再開してもいいかもしれません。
7.第四四半期は「仕組みを増やす」より「出口へつなぐ」
最後に、第四四半期と10月の目標です。
bot:取れそうなものを、実際の評価まで送る
botについては、
Q4で安定収益化する。
とは置かないことにしました。
これは自分の努力だけで期限を決められるものではありません。
探索した結果、良い候補がなければDROPする方が正しいです。
期限を先に決めてしまうと、
何とか利益化できるものを見つけなければ。
という方向へ判断が歪む可能性があります。
そのためQ4では、
エッジ探索を収益化側へ一段進め、「取れそう」を実際に取れる/取れないところまで評価する。
くらいを目標にします。
事前に見えるのか。
実装できるのか。
全コストを引いて残るのか。
競争環境で取れるのか。
繰り返せるのか。
このあたりまで確認できる候補を増やしたいです。
10月は、新しい候補を増やすだけではなく、9月までに残った候補を実装・評価側へ送ることを意識します。
CEXについても、DeFiとは違う候補空間として見直すつもりですが、CEX研究そのものを新しい巨大プロジェクトにはしません。
Web事業:販売までの経路を測る
Web事業については、
商品販売につながる経路を、データから逆算して改善できるようにする。
ことをQ4の目標にします。
10月はまず、現在作っている商品を販売できる品質まで持っていく。
そのうえで、記事、流入、商品への導線がどうつながっているかを確認します。
こちらも、作る量を増やすより、
今足りないものは何か。
を見ながら追加していきます。
生活:今のルーティンを崩さない
生活面は、あまり新しいことを増やしません。
午前中に主要タスクを終える。
やったことを整理して開発ログをブログ化する。
ラジオで喋って理解負債を潰す。よだかラジオ【CryptoとBot開発】
午後は必要なら休む。
週単位で回転数を調整する。
「今日まだできるか」より、
明日も同じくらい動けるか。
を意識する。
このくらいで十分です。
8.将来的には、対話AIの下に実行AIを束ねたい
最後に、これはQ4の目標ではなく、今後の構想です。
最近のAIとの分業を続けていると、
対話するAIは一つでいいのでは?
と思うようになりました。
自分は一つのチャットAIと話す。
そのAIが、必要に応じて、
- 情報収集
- 市場データ取得
- コード実装
- replay
- backtest
- 監査
- ファイル整理
などを行う別のagentへ仕事を振る。
結果だけを中央へ戻し、そこで自分と判断する。
そんな構成にできれば、かなり楽そうです。
技術的には十分できそうです。
ただし、今これを作り始めると確実にタスクが爆発します。
ルーティング、context管理、agent間の受け渡し、権限、ログ、監査、失敗時の処理など、いくらでも仕事を増やせます。
そして、そもそも現在は、
何を自動化するべきか。
という仕事の型そのものをまだ学習している途中です。
なので当面は、
人間+ChatGPT+Codex
で手動オーケストレーションを続けます。
botの探索・実装・評価までの流れが何度も安定して回るようになり、
毎回同じ受け渡しをしているな。
という部分が十分に見えてから自動化を考えます。
Q4でそこまで届くかもしれませんし、さらに先になるかもしれません。
時期は決めません。
構想だけ持っておきます。
まとめ
第三四半期の最初に置いた「収益ラインを2本作る」という目標は、達成できませんでした。
botもWeb事業も、まだ出口へつなぐ途中です。
ただ、7月から9月までを振り返ると、
分からないものを調べる
↓
候補を選ぶ
↓
取れるかを見る
↓
取れそうでも進む価値があるか判断する
というところまで、研究の進め方はかなり変わりました。
AIの使い方も同じです。
最初は、
AIに何をやらせられるか。
を考えていました。
最近は、
何をAIに任せ、どこに制約を置き、どの判断を人間が持つか。
を考えることが増えました。
AIは速いです。
かなり正確です。
一方で、こちらの問題設定が曖昧なら、かなり自然な顔をして別の問題を解くこともあります。
だから、出てきたものをそのまま採用するのではなく、
自分はなぜそう判断したのか。
AIはなぜそう判断したのか。
を一度照らし合わせる。
今のところ、この使い方がかなりしっくりきています。
第四四半期は、仕組みをさらに増やすというより、今まで作ってきたものを出口へつなぐ期間にします。
まず10月。
引き続き、淡々と進めます。