こんにちは、よだかです。
ぼっちbotter生活も13ヶ月目に入りました。
13ヶ月。
長いですね。
普通に長いです。
「そろそろ高く飛びたいんですけど?」という気持ちはあります。
ありますが、現実はなかなかそう簡単には飛ばせてくれません。
最近は自分でも、
ずっとしゃがんでない?
と思うことがあります。
高く飛ぶ前にしゃがむ、みたいな言葉があります。
でも、あれは飛べた後に言える結果論でもあります。
飛べなかったら、ただしゃがんでいただけです。
悲しい。膝も痛い。
とはいえ、4月を振り返ってみると、ただ何もせずにしゃがんでいたわけではありませんでした。
「準備」と雑にまとめると何も進んでいないように見えますが、やったことを事実として並べると、それなりに動いています。
今回は、4月にやったことと、そこから5月をどう使うかを整理しておきます。
bot開発の詳細はクリプトブログにまとめています。
興味がある方はそちらも読んでみてください。
4月にやったことをざっと並べる
4月は、収益構造の定義精度を上げることを目標にしていました。
そのために、リードラグ研究、DeFi観測、市場構造の勉強、ブログでの再言語化などを進めました。
ざっと並べると、こんな感じです。
リードラグ研究でやったこと
リードラグ研究では、Binance Japan BTC/JPYを主な実行候補として、外部ソースがどの程度リード情報として使えるかを観測していました。
4月にやったことは、主に以下です。
- 短期リードラグの観測を続けた
- 数秒〜60秒程度の短期構造では、個人botterが執行コスト込みで回収しにくい可能性を確認した
- Binance Japan向けの観測機を整備した
- global BTC/USD × USD/JPY から fair value JPY を作り、Binance Japan BTC/JPY との差を見た
- USD/JPY の情報源を Twelve Data に差し替えた
- ETF / CME / global_fx など、複数のリード候補を比較した
- ETF や CME について、24/7市場とのセッション差を意識して観測するようにした
- source quality、freshness、session open、sample valid などの品質判定を整えた
- 「構造候補」と「EV候補」を分けて見るようにした
- Grafana上の表示や注釈を整理した
- 朝チェックで source_alive / session_state / mismatch / error / quality reject を見る運用を作った
- しばらく閾値や主定義を固定し、データを育てる方針にした
ここで見えたのは、単純に「リードラグがあるかどうか」だけでは足りないということでした。
構造っぽいものが見えても、それが執行コストを跨げるのか。
Binance Japanで実際に抜けるのか。
そのズレは誰が作っているのか。
戻す参加者はいるのか。
このあたりまで見ないと、収益仮説としては弱い。
ここは4月の大きな確認ポイントでした。
DeFi観測でやったこと
DeFi側では、Ethena / USDe / collateral backing / Hyperliquid を中心に、利回り付きステーブルコイン周辺の需要変化が perp 側に何かしら先行するかを見ていました。
やったことは、主に以下です。
- Ethena API から USDe supply、yield、collateral backing snapshot を取得する観測機を作った
- Hyperliquid から BTC/ETH の funding、open interest、volume、mark price を取得する観測機を作った
- SQLite に raw JSON と normalized metrics を保存する構成にした
- 1時間ごとの定期実行を launchd で回すようにした
check_status.pyで定期実行・ファイル・最新timestamp・サンプル数を確認できるようにした- 初期分析として USDe supply shock 後の Hyperliquid OI / funding / volume / price の反応を見た
usde_supply_zscore_24obsが「実供給増減そのもの」ではなく、24観測窓内の相対的極端値であることを整理した- supply shock 単体では、HL側の安定反応が弱いと判断した
- USDe供給ショックを主トリガーから補助タグへ降格した
coverage_proxy_ratio = collateral_total_backing_usd / usde_supplyを追加したsupply_state × coverage_stateによる初期レジーム観測へ方針を更新したexpansion_coverage_improvingなどの regime label を作った- regime label の run length、遷移、チラつき具合を確認した
- しばらく定義を変えずに、追加観測で regime の安定性を見る方針にした
DeFi側でも、やはり「それっぽい関係がある」だけでは足りませんでした。
USDe supply が動いた。
Hyperliquid OI が動いた。
だから先行している。
とは簡単には言えない。
それが担保需要なのか、レバレッジ需要なのか、利回り需要なのか、資本配分の変化なのか。
そこを分けないと、見えているものの意味がかなり曖昧になります。
ここでも、観測項目の前に、市場構造の理解が必要だと感じました。
市場構造の勉強でやったこと
4月後半からは、『市場と取引』を読み始めています。
リードラグやDeFi観測を進める中で、自分が足りていないのは単なるデータ処理や実装力ではなく、市場構造の理解だと感じ始めていたからです。
読書を通して、以下のような概念を整理しました。
- 情報優位と執行優位は別である
- 情報を持っているだけではなく、取得・加工・解釈・執行まで通して初めて優位になる
- 市場参加者は同じ目的で取引していない
- ヘッジは失敗ではなく、主目的を守るために払う合理的コストかもしれない
- 大口・制度参加者・ヘッジャー・レバレッジ参加者は、それぞれ違う制約を持つ
- 個人botterは、その制約やコストの一部を観測できれば、拾える構造があるかもしれない
- ただし、それは「落ちている金」ではなく、自分が何らかのリスクを引き受けることで初めて成立する
- ファンダメンタルバリューは将来価格予測そのものではなく、価格が参照しうる経済的価値の推定値として扱う
- 市場効率性は「公開情報がどの市場でどの程度・速度で織り込まれているか」を見る前提になる
- 注文予想屋の視点は、公開データ上の足跡読みとして使える
- ディーラーや流動性提供者の理解は、流動性の質を読むために重要
このあたりの理解が、既存研究とかなり接続し始めている実感があります。
たとえばリードラグ研究なら、
- これは情報リードラグなのか
- 需給リードラグなのか
- 資本配分リードラグなのか
- ヘッジリードラグなのか
- 流動性リードラグなのか
という分類ができるようになってきました。
DeFi研究でも、
- USDe supply は何の需要の足跡なのか
- coverage proxy は担保状態の何を表しているのか
- Hyperliquid OI はレバレッジ需要なのか、ヘッジ需要なのか
- funding は背景軸なのか、主トリガーなのか
といった問いに分解しやすくなりました。
5月の頭もしばらくはインプットを続ける予定です。
ブログ・ノート・壁打ちでやったこと
4月は、実装や読書だけでなく、ブログやノートでしつこく何度も再言語化しました。
主にやったこととしては、以下の通りです。
- 開発記録を書いた
- リードラグ研究の進捗を記事にした
- DeFi観測の定義変更や仮説更新を記事にした
- 『市場と取引』の読書メモをbot研究に接続して整理した
- ChatGPTとの壁打ちで、自分の認識の甘さや飛躍を確認した
- 4月の振り返りと5月の目標を紙に書いた
- 5月の成果評価軸を、実装量ではなく理解・再言語化・市場接続に寄せる方針にした
読んだだけだと、分かった気になります。
でも書くと、自分がどこまで分かっているかが表に出ます。
説明できるところ。
説明が怪しいところ。
言葉だけ整っているところ。
本当は市場に接続できていないところ。
このあたりは、書くことでかなり見えます。
私は言語化が得意な方だと思いますが、その分、言葉で自分を納得させてしまう危険もあります。
だからこそ、書いたものを見返して、どこまでが事実で、どこからが解釈で、どこからが仮説なのかを分ける必要がある。
4月はその重要性に改めて気づいた月でもありました。
4月に分かったこと
4月を一言でまとめるなら、
収益構造を定義しようとした結果、仮説設計の土台となる市場構造理解がまだ足りないと分かった月
でした。
これは、テーマ設定ミスとは少し違います。
リードラグもDeFiも、やる意味がなかったわけではありません。
むしろ、それらに沿って実際に観測し、実装し、仮説を書こうとしたからこそ、足りないものが見えました。
足りなかったのは、ざっくり言えば、
- 誰がそのズレを作るのか
- 誰がそのズレを戻すのか
- なぜその参加者はコストを払うのか
- どの市場に流動性があるのか
- どの制約によって遅れが生まれるのか
- 自分はどのリスクを引き受けるのか
- その構造は個人botterが実行できる時間軸なのか
という部分です。
データを取ることはできる。
観測機も作れる。
グラフも作れる。
仮説っぽい文章も書ける。
でも、それだけだとまだ弱い。
市場参加者の目的、制約、流動性、執行コストまで含めて考えないと、「なぜ金になるのか」がぼやけます。
4月は、そこにかなりはっきり気づきました。
5月は潜る
この流れを踏まえると、5月は「潜る月」になりそうです。
外に広げるより、内側を練る。
実装を増やすより、理解を深める。
判断を増やすより、判断できる状態を作る。
ざっくり言うと、こんな方針です。
- 無駄に実装を増やさない
- 無駄に研究テーマを増やさない
- 無理に仮説を更新しない
- 現時点の理解で深掘りしすぎない
- 既存観測機は止めない
- リードラグとDeFiの最低限のチェックは続ける
- バグ修正・品質確認・表示改善はやる
- ただし、主定義や閾値や収益判断に関わる部分は軽くいじらない
- 読書・ノート・ブログ・壁打ちで市場構造理解を深める
- 得た知識を既存研究に接続する
- ただし、接続できたからといってすぐ実装しない
5月は、仮説を完全に作らない月ではありません。
ただし、仮説の扱いを分けます。
思いついたものは、まず「問い」や「弱い仮説」としてメモする。
観測項目、反証条件、収益構造、実行可能性が書けるものだけを、研究候補に昇格させる。
主仮説として扱うのは、さらにその先です。
面白いから実装。
それっぽいから深掘り。
これは5月は避けます。
面白そうなものは、まず寝かせる。
発酵するか腐るかは、あとで確認します。
5月の成果は何で見るか
5月は、成果の見方も変えます。
実装量や仮説数だけで評価すると、たぶん方針がブレます。
なので、5月は以下を成果として見ます。
1. 理解を深めるために行ったこと
本を読んだ。
概念を調べた。
市場構造を整理した。
既存研究との接続を考えた。
公開情報に可能な限りリーチした。
これらは普通に成果として扱います。
ただし、実行した量だけでは見ません。
その知識が、市場を見る分類軸になったかを見ます。
2. 自分の言葉で再言語化したこと
読書メモを書いた。
ブログにした。
ノートにまとめた。
ChatGPTと壁打ちした。
自分の言葉で説明し直した。
ここも重視します。
自分の場合、理解は読んだ瞬間よりも、書き直したときに表に出てきます。
書いてみて初めて、理解できている部分と怪しい部分が分かります。
3. 既存研究の見え方が変わったこと
新しい知識を得た結果、
- リードラグ研究の見え方が変わったか
- DeFi観測の見え方が変わったか
- 既存の観測項目が何を見ているのか説明し直せたか
- 逆に、今の観測では見えていないものが分かったか
ここを見ます。
単に知識が増えたではなく、既存研究の解像度が上がったかを見る。
これが5月の中心になりそうです。
4. 判断保留できたこと
5月は、「分からない」を分からないまま置けたことも成果にします。
無理に結論を出さない。
無理に実装しない。
無理に主仮説へ昇格させない。
これは、見た目には何もしていないように見えます。
でも、たぶんかなり大事です。
特に自分は、言葉できれいな説明を作れてしまうタイプなので、判断保留は意識してやる必要があります。
5. やらなかったこと
これも成果に入れます。
- 新しいテーマを増やさなかった
- 既存定義を不用意にいじらなかった
- 面白いだけの指標を追加しなかった
- 疲れている日に重い判断をしなかった
- AIの提案をそのまま採用しなかった
こういう「やらなかったこと」は、外から見ると地味です。
でも、研究を壊さないためにはかなり重要です。
作業は、やった感を生みます。
実装は、進んだ感を生みます。
新しい仮説は、賢くなった感を生みます。
でも、それが勝ち筋に近づいているとは限らないんですよね。
5月は、ここを忘れないようにします。
準備で雑にまとめない
あと、今回の振り返りで、自分にとって一番大事だったのは、
準備という言葉で雑にまとめない
ということでした。
収益に直結していないことを全部「準備」と呼ぶと、ずっと同じ場所にいるように見えます。
でも、実際には違います。
4月は、
- 探索した
- 切った
- 観測基盤を作った
- 仮説を降格した
- 分類軸を増やした
- 判断基準を修正した
- 次の動き方を変えた
月でした。
これは全部、前進です。
もちろん、まだ金にはなっていません。
ここは冷静に見る必要があります。
でも、「まだ金になっていない」と「何も進んでいない」は別です。
ここを混ぜると、自己評価が雑になります。
ずっとしゃがんでいる気はします。
それはまあ、します。「いつ、飛ぶんだよ」と。
でも、ただ膝を抱えてうずくまっていたわけではない。
地面の硬さを見ていた。
飛ぶ方向を確認していた。
膝を壊さないために重心を探っていた。
たぶん、そんな感じです。
完全にポエムですね。
でもまあ、このくらいは許してください。
現時点で評価しないで良いことは、無理に評価しません。
他者による評価で自分の評価軸が歪むのもバカみたいな話なので。
他者からの評価が無意味と言いたいわけではないです。
ただ、その評価を自分自身の価値判断と深く接続してしまうのは、ちょっとリスキーかなと思っています。念の為。
まとめ
ぼっちbotter13ヶ月目に入って、4月の振り返りと5月の目標を作りました。
4月は、テーマ設定ミスの月ではありませんでした。
設定したテーマに沿って動いた結果、収益仮説を作るための市場構造理解がまだ足りないと分かった月でした。
リードラグ研究も進めました。
DeFi観測も進めました。
市場構造の勉強も始めました。
ブログやノートで再言語化もしました。
その結果、5月は無駄に実装や判断を増やすのではなく、知識を増やし、市場に接続して理解を深める月にするのが良さそうだと判断しました。
5月は潜ります。
ただし、現実逃避として潜るわけではありません。
既存観測は続けます。
Factは取り続けます。
そのうえで、次に研究を掘るための土台を練ります。
ずっとしゃがんでいる気もします。
でも、事実を並べると、少なくとも同じ場所で固まっていたわけではありません。
5月は、準備を準備で終わらせないために、準備の中身を分解して記録する月にします。
bot開発の詳細はクリプトブログにまとめています。
興味がある方はそちらも読んでみてください。