どうも、よだかです。
最近は、時間を作って同じジャンルの本や同じ著者の本を一気に読むということをしています。
まとまった時間があるからこそできることですが、面白い気づきがあったので、読者の皆さんと共有しておこうと思います。
結論
①4冊目あたりから一気に読みやすくなる
②思考の軸を持つことができる
③自信がついて行動を起こしやすくなる
①4冊目あたりから一気に読みやすくなる
1つの教科を様々な先生から学ぶイメージですね。
同じジャンルの本を集めて読んでいると、だんだんと知っている言葉が増えてきて、3、4冊目あたりから読むスピードが上がってきます。
その領域において知っている言葉が増えるのと、その領域についての体系化された知識が身に付いてくるからだと考えられます。
つまり、理解の土台が整ってくるのが4冊目あたりからということになります。
1〜3冊目は、分からない言葉があったり、言葉同士のつながりや主張のつながりもバラバラであるように感じてしんどいものです。
地図もなく、森の中を彷徨っている感じですね。
そもそも、ゴールはあるのかすら分からず、一冊読み終えても「???」で終わってしまうこともしばしばあります。
そして、2冊目、3冊目も同じような状況、、、。
読書が嫌いになりそうです。
けれども、4冊目あたりから「あれ?この内容、別の本にも書いてあったな!」とうっすらと気づけるようになってきます。
また「同じことを扱っていても、本を書く人によって、全く違う意見を述べている」ことにも気づくでしょう。
私は、先日「不動産運用」の勉強のため5冊ほど読んでみたのですが、まさにこの状況でした。
まるで初心者の私は、3冊目まではカフェで眉間に皺を寄せて本と格闘、、、。
3冊目までは、正直読むのがしんどかった。
ところが、4冊目を読む頃には「借地は避けろ」「借地はチャンス」であったり「一戸建てから購入しろ」「マンション1棟から購入しろ」など、著者によって主張が異なることが見えてきます。
そして、どの著者も不動産運用を(大小の差はあれど)「誰かに幸福をもたらすビジネス」であるという信念を持っていることや、長期戦の戦略が必要なビジネスモデルであることを意識することの大切さを伝えていることなどが分かりました。
それぞれの主張の差異を知る。
一見同じジャンルであっても、その中にはさまざまな流派・やり方があるのです。
そして、そのジャンルの根底に流れる本質にちょこっとだけ触れる。
本質をなんとなく感じるボーダーラインが5冊なのかなと感じます。
何かを新しく始めたい時に、大きな資本を動かすときは、1冊だけに頼って動き始めるのは危険です。
頭でっかちになって動けなくなってしまっても意味ないのですが、無策で挑むよりも何倍もマシでしょう。
あとは、知っている人に聞くなり教えてもらうなりしながら勉強を続けていけば良いのです。
このように、一気に5冊ほど読んでみることは「体系的な理解の基礎」を作るのに役立ちます。
本を選ぶ時には、読みやすそうなものから専門用語多めのものまでバランスよく選ぶようにすると良いでしょう。
また、理解しにくい部分があれば、一旦読み飛ばして、別の本に移ってしまうのもありです。
その本では分かりにくい説明だったとしても、別の本では分かりやすく解説してあることが結構あるものです。
②思考の軸を持つことができる
さまざまな教科を1人の先生から徹底的に学ぶイメージです。
「〇〇さんだったらどう考えるだろうか?」という思考の軸を作るのに役立ちます。
ここでは、同じ筆者の本を年代別に集めて読むということをお勧めします。
できれば、初期〜中期〜後期(最新)のものがあると良いです。
「この人の書いた本を読む!」と決めて、それをひたすら読むと、その人の考えていることがなんとなく分かるようになってきます。
特に、その人の思想の根底にあるものを学べるのは大きな学びになります。
初めのうちは、専門的な言葉や言葉の選び方に違和感を覚えるため、すらすら読むことが出来ないかもしれません。
でも、お互いに違う人間なのですから、それは当たり前です。
1冊目は、初対面の方を挨拶する程度のもの。
まずは相手の出方を知る、人柄をなんとなく知るくらいの構えでいいのです。
3冊目を読み進めるあたりから、その人の人柄が見えてきます。
「別の本でも同じこと言ってたな」「言葉の選び方・伝え方・書き方は違うけれど、同じことを言っているな」などが分かるようになります。
また、著者が初期の頃の主張を振り返って、今の自分がそれをどう感じているかを述べる部分に触れることもできます。
人の思考がどのように変わっていくのかを知る機会にもなりますし、あるいは変わらない部分もあるのだと知ることもできます。
この分野に特化して学びたいと思ったら、その著者の本を5冊買ってみてください。
特に学者と言われる方々が書いている本がお勧めです。
歴史系に関連する内容だと、自分の思考を深めるためのヒントが数多く得られます。
歴史に対して、著者がどのように解釈しているのかがきちんと書いてある本が良いです。
事実ばかり、主張ばかりでバランスが悪い本は手に取らなくても良いでしょう。
単純に、知っていることが増えるのも面白いですね。
今回私が選んだのは、エマニュエル・トッド。
フランス生まれの歴史人口学者です。
彼の主張と、これまでの研究の歴史や思考の方法など、エマニュエル・トッドを体系的に理解するつもりで読みました。
1冊だけ読んで、主張を知るだけでなく、彼のように考えるにはどうすれば良いのかを知りたかったからです。
つまり、5冊ほど読むことで、著者の思考のパターンを知ろうとしたわけです。
彼の根幹にある思想や、学者としての矜持。
仕事や人間との向き合い方や人生観。
こういったものが感じられるのが5冊ほど読んだ時なのです。
1冊1冊から得た断片的な知識が網の目のようにつながって、著者の全体像を作り上げるのです。
そうして出来上がった著者の全体像は、これから私自信が物事を考えていく時の軸になります。
自分の中に「擬似エマニュエル・トッド」をつくるわけですね。
そうすることで、自分よりもはるかに勉強している人の叡智を借りることが出来ます。
「〇〇さんだったらどう考えるだろうか?」という視点を持つことは、とても大事だということは多くの人に共感いただけることかと思います。
この方法は、読書以外では得られないと思います。
単に知識を得るだけでなく、その知識を体系的にまとめ上げた思考そのものを得る試みです。
もちろん、本を読んだくらいでは、それをまとめ上げる過程を全て知ることなどできません。
本にまとめるということは、その人が人生をかけて取り組んできたことを凝縮させる作業なのです。
そこには、途方もない時間と労力が費やされています。
言われてみれば当たり前なのですが、知っているのと分かっているのは全く違います。
はっきり言って、よほど体系化されてまとまっていない限り、1冊読んだくらいでは思考は深まりません。
その分野において知る機会としたいのなら、事実と解釈がバランスよく含まれた本を選びましょう。
解釈や主張は、時代の流れと共に変わります。
「目の前で起こっていることをどう解釈するか」という思考の軸を得られるのが、多読の醍醐味です。
③自信がついて行動を起こしやすくなる
これはシンプルに、数をこなしたことで自信がつくということです。
普通、社会人が勉強する時に5冊も本を読んだりしません。
大抵の場合は1冊読んで終わりか、その一冊も途中で投げ出してしまうことがほとんどです。
2冊も読んでいれば、それは充分他の人との差異になるでしょう。
5冊も読む人などごくごく稀です。
人よりも多く努力しているという経験が自分に自信をつけてくれます。
5冊を突破すると、さらに次の読書が加速します。
知っていること・得意なことは上達が早まるからです。
まずは歯を食いしばって5冊読んでみる。
自信をつけたことで、さらに次の読書へ進みたくなる。
1冊で止まっている人と5冊読んだ人では、5倍以上の開きが生まれます。
得意なことはますます得意になっていきます。
知識を得ると、不安が減って行動を起こしやすくなります。
その行動から得た気づきをもとに、さらに勉強が進むのです。
行動と知識。
どちらが先でも構いませんが、私自身は知識が先だと感じます。
情報が溢れかえる現代。
経験にリソースを割く前に、その経験をより豊かに受け取れる知識を磨くための方法が読書なのですから。
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
今回は5冊というボーダーラインを設定しました。
10冊、20冊、50冊、100冊と読み進めていくうちに気づけることもまとめていきたいです。
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