どうも、よだかです。
昨今話題となっている「メタバース」という言葉、あなたはきちんと定義できますか?
今回お届けする「メタバースとは何か?」の紹介から、メタバースについての認識とそれに伴う大企業の動きを理解することができます。
本記事・この本を読んで欲しい人
・メタバースについて知りたい
・テクノロジーの可能性を知りたい
・テクノロジー関連のビジネスチャンスを知りたい。
リアルとサイバー空間
メタバースはサイバー空間における仮想世界のことです。
もう一つの世界と言い換えても良いでしょう。
メタバースについて理解する前に、リアルとサイバー空間、そしてデジタルツイン・ミラーワールドと言う言葉を理解しておいてください。
リアルとは身体に根ざした世界、サイバー空間とは インターネット上に展開されるウェブやSNSなど各種システムを含む世界です。
そして、サイバー空間に寄ったものがメタバースです。
一方、デジタルツインとミラーワールドはリアルに寄ったものです。
デジタルツインはリアルの空間を完全に模倣したもので、かつリアルからは切り離されたものです。
デジタル上での実験空間等と捉えてもらえれば良いかと思います。
これは、現実世界に全く影響を及ぼしません。
ミラーワールドとは、リアルの空間に影響を与えるものです。
例えば、デジタル空間上でテストを受けて採点をされるなどして、現実の我々の生活と何かしらの接点を持つものです。
本書では、このメタバースについての解説を掘り下げていきます。
SNSのフィルターバブル
SNSにどっぷりとつかっているのはSNSが大きな快楽をもたらしてくれるからです。
多くの人とつながっているように見えて、その日自分自身の心地よい状態 だけを維持してくれる状態、これをフィルターバブルと定義します。
そこは、自分に居心地の悪い状態や心のざわざわさせることなどから切り離された空間です。
SNS上であれば自分の好きなものだけに触れ続けることができるのです。
現実世界は、ほとんどのことが思うようにいかず、そこに疲弊している人間がSNSにどっぷりつかると言うわけです。
この性質を極限まで加速させてくれるのがメタバース。
メタバースは身体性を超えた心地よさを提供してくれる空間なのです。
エピックの離反
最もメタバースに近いゲームとされたフォートナイト。
大人気ゲームフォートないとを要するエピックと言う会社がアップルやGoogleのシステムから罹患したのは、時代の大きな潮流を表すと言えるでしょう。
フォートナイト内では、圧倒的な数のプレイヤーが交流をしています。
フォートナイトがゲームとして成功したのは様々な人たちと交流ができたり、自分の拠点や居場所を作るビルダー要素があったり、 テンポの良い大人バトルを楽しめたりする、など様々にあります。
2021年、圧倒的多くのプレイヤーを要するエピックが、アップルへのみかじめ料を払うことを拒否し、Apple Storeから追放されました。
実はApple Storeには売り上げの30%を持っていかれると言うルールがあり、エピックが行ったのはこの30%の手数料は不当であると主張したからです。
これまでであればアップルの作った巨大な基盤の上で、その手数料を払うことを飲み込んでいた多くのユーザーにとって、これは大変衝撃的な出来事でした。
またGoogleの批判としては、フォートナイ自体にアクセスするための経路を google検索以外の経路で導こうとしたことが挙げられます。
ただ、Google時代はこれを違法としていないので、アップルに対して行った反逆ほどではありません。
重要なのは、多くのプレイヤーを要するこのフォートないとは、人々の快を形成するプラットフォームであり、それが既存の大きな基盤 (Googleアップル)からの脱却として端を上げたと認識されると言うことです。
ここにおいてメタバースは、これまでの基盤からは全く考えられなかったような動きを人々に示しているのです。
メタバースで起きること
それはリアルのいいとこ取りです。
メタバース上では不快な事は排除され、その個人にとって回のみが残る世界です。
ここにおいて自由と平等がトレードオフだという事が課題になってきます。
自由とは 物事の解釈や行動の範囲を広げます。
そして平等とは、物事の解釈や行動の範囲を狭めます。
個人の趣味趣向そして思考を尊重することと、大勢の解釈や公共の利益を押し並べて平らにする事は 相反する考えだということがわかるでしょう。
メタバース内で考えていかなければいけないのは、個人の自由を認める事をどのように捉えているかということなのです。
また、メタバース内で、大きな可能性を持つのがNFT(非代替性トークン)。
これは他のプラットフォームに紐付けされない大きな価値を生む、所有権の証明です。
サイバー上で過ごす時間が長くなればなるほど、そこに価値を見いだす人も多くなります。
NFTの技術を用いることによって、サイバー空間上での所有権が証明されることに多くの人は気がつけば、このNFTは サイバー空間上でのあらゆる所有権を一手に引き受けることになるでしょう。
昨今NFTが非常に大きな話題になりました。
それはアートの所有権をデジタル上で証明するだけでなく、経験や価値そしてその他のあらゆるサイバー空間上での所有権を紐付けしてくれる技術だからなのです。
メタバース発展の歴史
ここでメタバースの発展歴史を簡単に振り返ってみます。
1つはGPUの発達により描画機能が大幅に向上したことが挙げられます。
画像を処理する機能の大幅な向上により、サイバー空間上でのリアリティーが高まったのです。
これは過去からの ゲーム 業界の発展に伴うところが大きいです。
10年前のゲームのグラフィックと現在のゲームのグラフィックでは、ものすごく大きな開きがあります。
GPUの発達は、そのあまりの処理速度の高さ故、CPUの処理にも使われるほどなのです。
また、その他もろもろの技術の 発展もサイバー空間のリアリティーを高めることにひと役買いました。
つまり、テクノロジーの進歩が、メタバースの台頭を生んでいるのです。
この世界においては結局は、テックジャイアントと呼ばれる大企業が覇権を握る事は疑いありません。
なぜなら、膨大なデータを持っている大企業であれば、そこにアクセスする人々の行動が膨大に蓄積されているので、社会実験を容易に行うことができるからです。
10億人にアクセスできる企業と、1000人にアクセスできる企業では集まるデータの質がまるで変わってきます。
1000人分とデータであれば、誤差の範囲内の情報量であっても、10億人からのデータであればその信頼性は圧倒的なものになります。
人の意識や行動をデータとして膨大に蓄える大企業の強さは、メタバース内でもさらに加速していく事は明らかです。
そもそも、人は意識の上で自由がきついと感じたりリスクを回避したりすると言う性質があります。
今後、メタバースを考えていく上で個々人の人生を広げる方向に利用していくことを考えていかないと、 都合の良い面だけを見て、足元を救われる可能性もあるということですね。
企業の現状と思惑
ここからはFacebook、 Google、アップル、マイクロソフト、アマゾンそれぞれの現状と思惑を見ていきましょう。
まずFacebookから。
Facebookは社名をメタに変え、メタバースに大きく舵を切りました。
これはFacebook時代のビジネスの脆弱さに起因します。
Facebookはその収益のをほぼ100%広告に頼っています。
つまり、実生活に根ざしたプラットフォームを持っていないのです。
Facebookが次の時代を生き延びるためには、次世代のプラットフォームとなるメタバースにおいて覇権を取らなければいけないのです。
そのために開発しているものの1つがオキュラスです。これはヘッドマウントディスプレー型の仮想現実を体験するアイテムです。
この商品の開発に注力することで、覇権を取ろうとしているのです。
次にGoogle。
Googleはその収益の70%広告に依存しています。
残りの30%はリアルに根ざしたものです。
つまり、Googleは拡張現実志向の商品の開発に注力したいのです。
その商品の代表がGoogleグラスです。
これはGoogleの最も力を入れている製品だといって良いでしょう。
ただし一般向けではありません。
カメラを搭載しているため、 一般層にはプライバシーの問題から受け入れられることがありませんでした。
ところが、企業にとっては非常に都合の良い商品なので、GoogleはBtoBビジネスのあり方に活路を見出し、企業向けの製品としてGoogleグラスの開発を続けているのです。
次にアップル。
アップルはメタバースよりにビジネスを展開する事はないでしょう。
なぜならアップルはものづくりの会社だからです。
その企業理念がものづくりに根ざしている限りは、アップル独自の強みを手放して、何でも再現可能なメタバース空間に参入していく必要はあまりありません。
デザインバイアップル。
この言葉はアップルがデザインしたものが所有者の人生を変えると言う企業理念をよく表しています。
アップルの開発するスマートグラスも、iPhoneもiPadも macBookも全てはリアルな世界で こそそのデザインの良さを感じられるのです。
最後にMicrosoft。
Microsoftもアップルと同じくメタバースに参入する気はあまりありません。
Microsoftの収入の基盤は、非常に様々で、他の大企業のように何か1つの飛び抜けた製品で派遣を握ってるわけがありません。
それゆえに収入の基盤が安定しているともいえます。
Microsoft自体も拡張現実よりもビジネスを展開していくことが予想されますが、 microsoft社時代は、これを拡張現実とは言わず、混合現実と呼んでホロレンズの開発に注力しています。
Microsoftの 製品は、これがなくなってしまうと社会が大混乱に陥るものなので、現実世界に根ざしたビジネスを展開しているといえます。
そのためわざわざメタバース空間で覇権を取りに行く必要はありません。
Amazonも、現実世界に根ざしたビジネスモデルを構築しているため、メタバースに大きく舵を切ることはないでしょう。
Amazonが注力しているのは音声媒体に特化した製品開発です。
エコーフレームなどは、その最たる例です。
アマゾンの強みは、現物と情報をつなぐことにおいて、圧倒的なシェアを確保している点。
AWSは、もはや世界の至る所に繋がっていて、これは世界最大級のクラウドに成長しています。
メタバースにシフトした世界でも、充分に戦えるだけの強さを持っているのです。
まとめ
最後まで読んで下さってありがとうございます。
本書を読んで、メタバースという世界が「人間の快を極限まで追求した世界」であるということを感じました。
快を与える世界、求める世界の在り方が今のところはまだ、世の多くの人にとっては受け入れがたい現実なのかもしれません。
しかし、長い目で見ると快を求めると言う性質を人々は受け入れていく時代が来るでしょう。
その意味においてメタバースはこれからの未来世界の土台となる可能性が高いと思います。
メタバースは非常に広い意味を持ってます。
ARやVRもそれはメタバースを経験する一手段なのです。
メタバースという言葉はまだはっきりした定義がありません。
これからも 自分自身が学びメタバースを自分なりに知っていくことが大切です。
この世界はまだ多くの人に切り開かれていない世界なのです。
メタバースについて知識を得たいと感じるのであれば、自分自身がその最先端に立ち触れ続けることが大事なのです。
いずれ時代を覆うであろうメタバース。
未だ黎明期のこの時期にメタバースに触れ身体を伴った時間を得ておくことが重要なのだと思います。
未来の世界に 生きることを少しでも考えている方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。
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