こんにちは、よだかです。
『利己的な遺伝子』やさしく解説シリーズも第5回目となりました。
今回のテーマは──
⚔️ 「攻撃」──進化のなかで、どのような行動が“生き残る”のか?
進化は「安定」→「不安定」→「新たな安定」というループの連続。
このサイクルのなかで残るのは、「進化的に安定な戦略」です。
🔁 前回(Part.4)の記事はこちら
👉 【遺伝子機械】脳の進化と意思の正体
この本・この記事をおすすめしたい方
- 『利己的な遺伝子』をじっくり理解したい
- 生物の“争いと安定”のメカニズムに興味がある
- ビジネスや人間関係にも応用できる進化論を知りたい
「進化的に安定な戦略」とは?
どんなに激しい環境でも、長期的に残りやすい戦略が存在します。
ドーキンスはこう言います:
🌱 「常に親切であり、攻撃されたときだけ反撃する」
さらに、「持久戦においてはポーカーフェイスを貫く」ことも重要です。
環境A:戦闘の場面
争いが起こる場面では、勝者が資源を手にし、敗者はそれを失います。
しかし、たとえ勝ったとしても──
- 大きな怪我を負えば、次の敵にやられるかもしれない
- 回復に時間がかかれば、チャンスを逃すかもしれない
つまり「むやみに争うのは割に合わない」のです。
✅ 安定した戦略:「攻撃されたら反撃する」=報復型
これは、現代の人間関係にも通じます。
「普段は親切、でも一線を越えたらきっちり対応」──
そんな“スタンス”が、長く付き合える秘訣だったりしますよね。
環境B:持久戦の場面
次に、「消耗戦」がテーマとなる持久戦の環境。
ここで重要なのは──
🃏 自分の消耗を相手に悟られないこと(=ポーカーフェイス)
- 相手を観察する
- 自分は余裕があると見せかける
- 相手の判断ミスを誘う
争いの舞台が「戦闘」か「持久戦」かを見極めるだけでも、選ぶべき行動が変わってきます。
逆張り戦略はなぜ崩壊する?
一時的には有利に見える「ズル」や「出し抜き」。
たとえば:
- みんなで分け合うルールを破って独り占めする
- 他人を騙して短期的に得をする
でもこれは、長期的には破滅を呼びます。
🚫 攻撃性の高い個体が増えるほど、群れの秩序は崩壊する
短期の勝利を積み重ねても、
最終的には**「自滅のスパイラル」に陥る**のです。
ビジネスでも同じ?逆張りの“乗り継ぎ”
もちろん、ビジネスでは「逆張り」が武器になることもあります。
でも、その場合は「乗り継ぐ」という発想が大切。
💡「不安定さを認識し、戦略を柔軟に変えていく」
そうすることで、崩壊を避けながら一歩先を狙えるわけです。
勝ち癖と負け癖
記憶を持つ動物は、「勝った」「負けた」の記憶で行動を変えます。
- 勝った記憶 → 自信に
- 負けた記憶 → 避けようとする傾向に
でもここで忘れてはいけないのは:
🧠 集団内の順位は「その時の戦略の優劣」であり、個体の価値ではない
大切なのは、「自分の勝てるフィールドを選ぶ」こと。
🔁 過去に負けたとしても、それは“あなた”の評価ではありません。
✅ 勝ち癖は「戦い方次第」でいくらでも身につけられます。
すべてに通じる“進化のルール”
進化とは──
⚖️ 「安定」→「不安定」→「新たな安定」の連続
この流れは、人間関係にも、社会にも、経済にも、すべてに当てはまります。
逆張りが現れ、
それが崩れ、
新たな安定性が生まれる。
🔍 この視点を持っているだけで、世界の見え方が変わってきます。
📕『利己的な遺伝子』をもっと知りたい方へ
ドーキンスの進化論は、単なる生物の話ではありません。
**社会・行動・ビジネス・哲学にまで応用できる“思考の土台”**となります。
次回予告|Part.6:「遺伝子道」
第6章では、「同種同士で争いを避ける理由」について深堀りします。
どうすれば、私たちはお互いを傷つけずに生きられるのか?
そのヒントは、やはり“遺伝子の戦略”にあります。
どうぞお楽しみに!
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【なぜ“血縁”に優しくするのか?】『利己的な遺伝子』をやさしく解説|Part.6|リチャード・ドーキンス著
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