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【我々が生存機械である理由】利己的な遺伝子 やさしく解説Part.5【リチャード・ドーキンス】

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どうも、よだかです。

今回は「利己的な遺伝子」やさしく解説の第5回。

生物観を大きく揺るがすベストセラーの本書。

第5章のテーマは「攻撃」。

進化とは「安定」→「不安定な過渡期」→「安定」の繰り返し。

その中で「進化的に安定した遺伝子のセット」が残ります。

安定性を評価するのは「その時々の環境」。

第5章では、動物のみならずあらゆる範囲に当てはまる普遍的な考え方を手にすることができます!

この本・本記事を読んで欲しい人

・利己的な遺伝子を読んでみたい

・生物の起源を知りたい

・進化の本質を理解したい

進化的に安定な戦略

遺伝子は環境の淘汰を受けて、最も保存されやすいものが残ります。

これまでの歴史を振り返って”最適な生存戦略”を分析してみると”進化的に安定な戦略”とはどんなものなのかが分かります。

生き物がお互いに関わり合う中で、”結果的”に”安定”だと考えられる戦略について結論を述べます。

最も安定な戦略とは「常に親切であるが」「攻撃されたら反撃し」「持久戦においてはポーカーフェイスを貫く」ことです。

ここでは、2種類の環境「戦闘」「持久戦」について見ていきましょう。

環境A:戦闘において

お互いの攻防が発生する環境が”戦闘”です。

この状況では、相手を打ち負かしたものが勝者です。

相手に勝てば、遺伝子をつなぐための資源を手にすることができます。

倒した相手を食べてエネルギーにするかもしれませんし、相手の持っていた土地や縄張りを奪って自分の利益のために使うかもしれません。

勝者は資源を手にし、敗者は資源を失います。

しかし、”戦闘”には”傷つくリスク”があります。

もし相手に勝ったとしても、再起不能に近いダメージを負う可能性があります。

戦闘後の弱ったところを、別の相手に襲われてしまう可能性もあります。

戦闘に勝っても、その後も勝ち続けなければいけません。

生き物は、このリスクとリターンのバランスを考えながら生き延びてきたのです。

重要なのは「勝ちを重ねながらも、大きく負けないこと」

安定したスタンス

・むやみに争わないこと

・攻撃された時だけ、反撃する

そうすることで、相手から攻撃されるリスクを下げることができます。

本書では、この戦略を「報復型」と定義しています。

これは、私たちの人付き合いにおいても応用できます。

いつもにこやかに親切に振る舞うけれど、傷つけられた時には本気の報復をする。

この場合、報復とは必ずしも直接の仕返しであるとは限りません。

相手をしないという対応も、立派な報復の方法です。

環境B:持久戦において

もう一つの環境は、”持久戦”。

これは、直接の攻防は行わず、相手の消耗を待つということです。

”持久戦”において最も大切なことは「自身の消耗を相手に悟られないこと」です。

そのため「相手の状態を観察し」「嘘をついたり、欺いたりする」能力の高さが求められます。

ポーカーフェイス

・相手の状態を察しつつも、自分の手の内は決して明かさない

・自分はまだまだ余裕があるのだと相手に思いこませる

自身が身を置く環境が”戦闘”なのか”持久戦”なのかを意識するだけで、その場にふさわしい安定な戦略が見えてきます。

逆張り戦略が長続きしない理由

安定を破壊するものが”逆張りの戦略”です。

進化的に安定な戦略とは真逆のことを行うことで、一時的には利益を得ることができます。

逆張り戦略の例

・全員が同じ資源を平等に分け合う約束をしたのにも関わらず、メンバーを出し抜いて資源を総取りする

・善人を騙して、資源を奪い、短期的な利益を得る

これらの行いは道徳上良くないという理屈以上に、進化的な面から最も不安定な戦略であると断言できます

相手を攻撃することによって遺伝子をつなぐということは、”高い攻撃性”を持つ子孫が増えるということ。

攻撃を繰り返す個体を増やしていくことで、そのコロニーの攻撃性はどんどん高まり、攻撃し合い騙し合う個体ばかりのコロニーになるのです。

「逆張り戦略」は、自身の崩壊性を孕んでいるのです。

そのため、長期的にみると、逆張り戦略は長続きしないのです。

「遺伝子を保存する」という目的においては、争いは避ける方が良いのです。

もちろん、短期的な利益を求めるのであれば、逆張りの戦略を取る必要があります。

ビジネスにおいては、この逆張りの発想が利益を生むこともあります。

重要なのは「逆張りの不安定さ」を知っておくことと「逆張りを乗り継ぐ」発想を持つことですね。

勝ち癖と負け癖

記憶があることで、生き物は無駄な争いを減らすことができます。

集団内の序列が決まっていると、群れのボスにむやみに戦いを挑む個体が減ります。

”戦闘”そのものを減らして、遺伝子を保存しやすくするための「集団の特性」とも言えます。

勝ち癖がついたものは、どんどん勝ちやすくなり、負け癖がついたものはどんどん負けやすくなる。

勝負に勝つという経験は、次のチャレンジへの自信になります。

逆に、勝負に負けるという経験は、次のチャレンジを避ける傾向を生みます。

これは、自然界のみならず、”記憶”を持つ私たちにも当てはまることです。

だからこそ、記憶に支配されないで新しいチャレンジをし続けることが大切なのです。

重要なのは「勝ち負けによる順位付け」が「集団の特性」であり、「個体の特性」とは関係ないという点です。

過去の勝負の勝ち負けの記憶は、あなたの本質的な価値を決めるものではありません。

自分の勝てるフィールドで勝ちを重ねることを意識して行動し続けることで、誰でも勝ち癖のある人間になれるのです

全てに共通するルール

進化とは「より安定した状態へステップアップしていく」こと。

「安定」→「不安定な過渡期」→「安定」を常に繰り返しているのです。

一旦は安定状態になると、その中で利益を出そうと「逆張り戦略」を取る個体が現れる。

「逆張り戦略」は一時的には栄えますが、自身が抱える”崩壊性”によって、その個体数を徐々に減らしていく。

その過程で、集団内では「逆張り戦略」に対応した新たな形の安定性がもたらされる。

進化的に安定な戦略は、あらゆる場面においてみることができます。

人間関係、自然環境、集団、会社、国、、、。

異なる個体が関わり合う中で、自分自身の遺伝子を保存するための最適解を重ね続けてきたのです。

大きな視点で見れば、1個体の生存戦略が遺伝子をつなぐために集約されています。

まとめ

最後まで読んでくださってありがとうございます。

次回、第6章のテーマは「遺伝子道」

「同種同士での争いを抑制するもの」をテーマとしてまとめていきます。

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