どうも、よだかです。
今回は「ink」という映画の紹介です。
これは、親子愛をテーマにしたヒューマンドラマ。
ファンタジー要素もちょこっとだけアリ。
場面の繋ぎ方や説明が少ないストーリーの見せ方もとても良かったです。
映画を最後まで観るといろんなことがきちんとつながって見えてくるので、途中で「?」となってもとりあえず最後まで観ることをおすすめします。
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あらすじ
ジョンは仕事にのめり込んでいて、入院している我が子の見舞いよりも仕事を優先させてしまうタイプ。
妻とは過去に死別しており、その現実から逃れるためにより一層仕事にのめり込むようになっていた。
そんな彼が、取引先の会社に向かう最中、自動車事故に遭うシーンから物語が始まります。
場面は変わって、穏やかに眠りにつく人達のシーン。
彼らが寝静まった頃に、光と共に枕元に現れる人々がいた。彼らは、人々に良い夢を見せている様子。
一方で、人々に悪夢を見せる存在もいた。どうやら二つの勢力は敵対してる様子。
そんな中、ジョンの娘をさらおうと、一人の男「インク」が現れる。誘拐を防ごうとする人々(「戦士」と呼ばれている)を振り切って、不思議な空間に逃げ込む「インク」。
誘拐された娘を取り戻すべく行動を開始する戦士たちと、追撃の中で明らかになるインクの正体とは?
そして、ジョンは娘との絆を取り戻すことはできるのか?
ここからネタバレあり!
見どころ
世界観に引き込まれる
ファンタジー風味が強めです。
光と闇の戦いみたいなことがテーマになっているのですが、それが強めに出ていないところが素晴らしい!
戦いはあくまで、親子の絆を描くためのパーツ。
現実世界に現れても、普通の人たちには認知されていないので、人知れず戦っている描写もいいですね。
派手なアクションにし過ぎないのもポイント高いです。
あえてカメラワークや明るさの具合を制限してアクションに見応えを出しています。
レビューを見ると「低予算映画」のようなので、それゆえの制約なのかも知れませんが、、、。
制限された中での作成が、表現できうる限りの工夫をもたらした作品だと感じました。
初めのうちは、観ていても全く話についていけないので、誰が味方なのかも分からない。
けれども、その点も見ている人を物語世界に引き込む要素の一つとして機能しているのです。
キャラが立っている
インクをはじめとして、それぞれのキャラが非常に濃い。
特に敵対勢力のメンバーは、非常に不気味で気持ち悪い。
一目見て「あ、こいつら悪い奴だ」と理解できる外観を一髪で描き切っているのも見事。
そもそも、彼らが人に悪夢を見せる理由などは全く説明されません。
とにかくそういうモノだという設定の下でどんどん話が進んでいきます。
味方勢力のキャラには、特に好きになれた人はいませんでした、、、。
ジョンの描かれ方は、とても興味深かったですね。
過去に行動を心から悔いているからこそ、インクになった後も本来の自分を取り戻すことができたわけですし。
妻との馴れ初めも、ウブな感じ丸出しで可愛らしいんですよね。
そこには、ビジネスマンとしてバリバリにならしているジョンの面影はありません。
そして、妻を心から愛していたはずのジョンがどうしてビジネス一辺倒になっていったのかは、過去の回想からある程度読み取ることができます。
2周目を観てみると、回想シーンの重要性もより深く理解することができますよ!
娘役の演技力
ジョンの娘役の演技が圧巻です。
表情によって、不細工にもかわいくも見える。
シーンによって、映り方を変えているのは本当にすごいです。
特に好きなシーンは、2つ。
1つ目は、ジョンを遊びに連れ出して、見えない敵に攫われそうになるシーン。
父親の気を引こうと必死に、けれども無邪気に振る舞う様子がめちゃくちゃ可愛いです!
そりゃ、週80時間働いてヘロヘロのパパも、さっきまでのダルさが吹き飛んで本気になって遊びに付き合っちゃうよね。娘、マジ天使。
2つ目は、ラストシーンでインクが父親の生まれ変わりだと見抜くところ。
映画を見ている側からも「ここはパパだと気づくシーンだよね」と予想は着くのですが、それでもやっぱりグッとくるものがありました。
ベタベタの展開でも感動するのは、ひとえに演じる側の案技力あってこそ。
子役って大事です。
考察の余地がある
物語の世界観説明は、全くと言っていいほどありません。
加えて、回想シーンが多めで、どこまでが現実のシーンなのかイマイチ理解できないことも、、、。
だからこそ、考えながら見ることのできる作品なのです。
もちろん、ぼーっと観ていても最後にはストーリーの辻褄が合うように設計されているのですが、頭空っぽにして観てしまうのは勿体無いです!
それぞれのシーンのつながりや、セリフなどがどのような意味を持つのかを考えながらパズルを組むようにして楽しむ映画ですね。
しっかり考えながら観ることで、ラストシーンの感動もひとしおです。
過去、ジョンと娘が仮想の敵をやっつける遊びをしていましたが、あのシーンを再び思い起こさせる展開は、結構ウルッときますね。
というか、一人で何十人もの相手を薙ぎ倒していくだなんて、インク強すぎるでしょ。
そこだけ、ご都合展開を感じてしまうのは、私の意地が悪いからかな?
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
丁寧な説明がないからこそ、しっかり考えながら楽しむことができる本作。
親子愛を感じたい方や複雑に絡み合うストーリーが終盤で一気に結びつく展開が好きな方にはたまらない内容です。
好きな映画としておすすめしたい作品に出会えたことに感謝!
ぜひ一度、ご覧になってみてください!
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